リモートマッチとなった6月27日のJ3リーグ開幕戦で、ガイナーレ鳥取の髙木理己監督の声が響き渡った。無観客ゆえに中継映像でもよく聞き取れた声には、特殊な環境で選手を鼓舞する指揮官の狙いがあったという。

上写真=6月30日の練習で笑顔を見せる鳥取の髙木監督(写真◎石倉利英)

スタジアムに響いた声

 6月27日のJ3リーグ開幕戦で、セレッソ大阪U-23と対戦したガイナーレ鳥取は1-0の勝利を収めた。オフを挟んで30日に練習を再開した髙木理己監督は「ポジティブな結果ですが、もう終わったこと。次に向けて良い準備をしていくことに尽きる」と、7月5日のFC岐阜とのホーム開幕戦への切り替えを強調している。
 
 ヤンマースタジアム長居で行なわれた開幕戦は、リモートマッチだった。両チームの選手はもちろん、髙木監督が声を張り上げて選手に送る指示やゲキも、DAZNの中継映像で何度も聞き取れている。「自分の声が届かなくても、選手たちと心は通じ合っているので、指示という部分では日常のゲームと変わらない」と髙木監督は語ったが、試合終盤のゲキには、ある狙いがあったという。
 
「無観客なのでファン・サポーターの声援がないぶん、自分が声援を送る意識でした。上松瑛に『勝ちにいくぞ!』と言ったり。日頃なら皆さんの、声の後押しがあるのですが、リモートマッチではいつもの支援が、声では届かない。サポーターの気持ちを代弁するような気持ちでした」

 チーム全体の勝利への思いは、88分のFW田口裕也の決勝ゴールで実を結んだが、冒頭のコメントにあるように、指揮官は次節へと気持ちを切り替えている。「岐阜はクオリティーの高い選手がそろっている。彼らのストロングポイントを奪わなければいけない」。FW前田遼一などを擁し、昨季までJ2で戦っていた強敵とのリモートマッチでも、選手を後押しする声が響き渡りそうだ。

取材◎石倉利英 写真◎石倉利英


This article is a sponsored article by
''.