今季、完全移籍でガイナーレ鳥取に加わったGK田尻健。期限付き移籍で試合に出ることの重要性を痛感し、生まれ故郷のクラブを離れる決断を下した。新天地で守備の中心となるべく、着々と準備を進めている。

上写真=このオフにG大阪から鳥取に完全移籍した田尻(写真◎石倉利英)

「失点減は最重要課題」

 新しい環境にも、すっかり慣れた。「楽しくできています。若いチームなので、僕の言うことも聞いてくれて、実行してくれるので、ストレスを感じませんね」。今季ガイナーレ鳥取に加入したGK田尻健はチーム始動からの道のりを振り返り、充実感を漂わせている。
 
 小学生時代にガンバ大阪ジュニアからスタートして、ジュニアユース、ユースを経て2012年にトップチーム昇格。生まれ故郷の大阪府で、青黒一筋でプレーしてきた。17年途中から18年にかけてツエーゲン金沢に育成型期限付き移籍してプレーしたものの、19年はG大阪に復帰。だが今回は、完全移籍で新天地を求めた。

 G大阪のゴール前には、日本代表の東口順昭という高い壁が立ちはだかる。ひるむことなく定位置奪取に挑んでいた一方、試合に出ることの重要性も感じていた。G大阪U-23などでJ3リーグには数多く出場していたが、強い決意で完全移籍することに。

「金沢で何試合か出場して(18年はJ2リーグ9試合に出場)、試合に出なければいけない、という思いが強くなりました。もう年齢も年齢だし(26歳)、ガンバの選手としてではなく、一人のサッカー選手として考えたとき、必要とされるクラブで試合に出たいと思いました。試合に出てみないと分からないことがあるし、試合に出ていれば周りに見てもらえるチャンスも増えます。ガンバを離れましたが、悲観的には考えていません」

 鳥取は昨季、J3リーグ34試合でワースト3位の59失点。田尻は「チームとして失点を減らすことは最重要課題」と語り、「守備の連係や、しっかり相手に寄せるところなどを、自分も含めて後ろからどんどん言っていけば、おのずと失点も減っていく。そこは練習からやっています」と言葉に力を込めた。不退転の覚悟で生まれ故郷を離れた守護神は、鳥取の新しい『ぬりかべ』としてゴールに立ちはだかる。

文・写真◎石倉利英


This article is a sponsored article by
''.