明治安田生命J2リーグ第41節で、アルビレックス新潟は東京ヴェルディに敗れて優勝は決まらなかった。先制されたあとに迎えたビッグチャンスに、小見洋太がシュートミス。堀米悠斗がかけた言葉にはたくさんの思いが詰まっていた。
上写真＝小見洋太は自らのシュートミスに悔やんだが、必ず取り返すつもりだ（写真◎J.LEAGUE）
■2022年10月15日 J2リーグ第41節（味スタ/12,846人）
東京V 1-0 新潟
得点者：（東）染野唯月
「笑って言えるように」
「優勝を争うこの状況で、ああいう経験ができるのはいいことだよ。練習の向き合い方を変えていこう、って言いました」
キャプテンの堀米悠斗が小見洋太にかけた言葉には、たくさんの思いが詰まっていた。
58分に先制ゴールを許したあとの65分のこと。堀米が左サイドからきれいに相手守備を破るスルーパスを送り込み、抜け出した小見がGKマテウスと1対1になる。堀米が「パスも動き出しも完璧だった」と自画自賛した流れは見事だったが、小見のシュートはゴールを大きく外してしまう。
「慌てたというのと、コースを迷っちゃいました」と悔やむのは、もちろん小見本人だ。GKをよく見て早いタイミングで右足で蹴り出したのだが…。
「ニアかファーか迷いが生じてしまって、中途半端なシュートになってしまいました」
小見はこの直後に秋山裕紀と交代し、あとを託したが、表情はもちろん冴えないまま。結局、0-1で敗れることになる。
「自分はもう単純に、あのチャンスが敗戦の直接的な原因だと思っているので、まだ切り替えることはできていないです」
その苦しみは、堀米にも伝わった。
「真面目な選手なので、練習に、次のチャンスに生かすと思います。ただ、これで優勝を逃すと彼にあまりにも重いものがのしかかってしまうので、しっかりと来週みんなで勝って、笑っていい経験だったねって言えるようにしたいと思います」
優勝するための理由など、いくらあっても構わない。例えば、ケガをした高木善朗のために。そして、小見の未来のために。最終節のホームゲームで、勝つ。勝って、シャーレを掲げる。
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE
