6月5日の明治安田生命J2リーグ第20節で、ジェフユナイテッド千葉が首位のベガルタ仙台を迎えた。前半は千葉にまたも負傷者が出て交代を余儀なくされたが、ここで4-4-2にシフトチェンジしたことがきっかけで千葉のペースに。後半開始早々に一気に2ゴールでたたみかけて仙台を下した。

上写真=先制点のブワニカ啓太(左)と2点目の見木友哉が最高の笑顔(写真◎J.LEAGUE)

■2022年6月5日 J2リーグ第20節(フクアリ/7,401人)
千葉 2-0 仙台
得点者:(千)ブワニカ啓太、見木友哉

画像: ■2022年6月5日 J2リーグ第20節(フクアリ/7,401人) 千葉 2-0 仙台 得点者:(千)ブワニカ啓太、見木友哉

「私のマネジメントの問題」と原崎監督

 ピンチはチャンスだ。24分がこの試合の潮目になった。

 千葉は3バックの左の鈴木大輔が、負傷で24分に交代。相次ぐ負傷者でメンバー構成に悩むチームにとっては、守備の要を欠くことは大きな痛手だった。ところが、である。ここから生き生きとし始めるのだから、わからない。

 それまでは、攻守に堅い仙台のペース。特にピッチのあちこちに顔を出す遠藤康の自由なアイディアと、ボールに複数人が囲い込む鋭い守備でコントロールしていた。ただ、小さなミスが相次いで、ビッグチャンスにはつながらない。そんな中での千葉の交代劇だ。

 鈴木に代わって入ったのは、FWブワニカ啓太。3-4-2-1の配置から、仙台に合わせるように4-4-2にシフトした。これでプレスを仕掛けるポイントのズレがなくなって、千葉がボールを回収しては前に出る展開が増えていった。カウンターで対抗した仙台は、36分に氣田亮真がハーフウェーライン付近から持ち込んで最後は中島元彦が狙うが、すんでのところで千葉の西久保駿介がスライディングで止めた。

 そんな勢いが、後半にいきなり連続で実を結ぶ。48分に福満隆貴が左から思い切り逆サイドへ。西久保が素早くクロスを送ると、チアゴ・デ・レオンソがヘディングシュート、こぼれたボールにブワニカがヘッドでゴール右へと押し込んだ。

 2分後の追加点がさらに大きかった。チアゴが左サイドに振ったカウンターから、見木友哉がGKと1対1となり、左足で軽く浮かせてゴールに送り込んだ。

 尹晶煥監督はこれまでもリードしているときの試合運びに課題を指摘してきたが、65分のフォギーニョのヘディングシュート、72分の中山仁斗の左足シュートと、至近距離からのフィニッシュはGK新井章太がビッグセーブ。時間が進むにつれてさらに仙台が押し込み、千葉が跳ね返す展開になったが、このまま千葉が逃げ切りに成功した。

 6試合ぶりに敗れた仙台は、得失点差で首位陥落。原崎政人監督は、選手の自信の欠如を気にかけた。

「相手がもっと奪いに来る想定でしたが、構えてくれたので、あとはどう進入していくかでした。選手が自信を持ってプレッシャーの中に飛び込んでいけなかったのは、僕のマネジメントの問題ですね。ミスを恐れているのか、自信を持っていけなかったのは反省です。僕が選手が行ける環境をつくりたい」

 千葉はこれで今季初のリーグ3連勝。尹晶煥監督はそれでも「喜びを味わう段階ではない」と静かだった。負傷者が続出しているためだが、「この勝利は選手に自信になった」と充実感も漂わせている。

 4バックにシフトしたのがポイントになったが、連戦中で練習もできず、メンバーが足りない状況での、いわば苦肉の策だったという。そこで生きたのが、選手の経験。「(風間)宏矢も(見木)友哉も4バックのサイドハーフの経験は豊富なので、スムーズに入れました。(田口)泰士と(熊谷)アンドリューも安定していたので、2人とセンターバックを信じていました」と、選手の経験値の高さを生かしたピッチの中の対応力を称えた。

現地取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE


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