ヴァンフォーレ甲府は1月3日、吉田達磨監督が復帰することを発表した。2017年から18年4月まで監督を務めたあと、19年5月からはシンガポール代表監督として指揮を執っていた。

上写真=吉田達磨監督が2018年4月以来の復帰だ(写真◎J.LEAGUE)

『途中であること』を再認識

 ヴァンフォーレ甲府はJ1昇格をかつての監督に託した。2018年4月以来の復帰となるのは吉田達磨監督。独特のスタイルを植え付けて勝負しながら、志半ばで解任されたが、リベンジのチャンスが巡ってきた。

 健在の「達磨節」で就任の意欲を語った。

「その打診は突然でした。全く予想もしていませんでした。
 即答したわけでもなく、すぐに熱いものが込み上げてきたわけでもありません。
 ただじんわりと私の中に染みて行きました。
 そして熟考する代わりに忘れることはないであろう光景を思い出しました。
 解任となった翌日、チームへのお別れを終え去って行く私をたくさんのファン、サポーターの方が拍手で送り出してくれた信じられない光景。ホームゲーム敗戦後にゴール裏で叱咤激励を受けた光景。
 そして、段々と山梨で過ごしたその一つひとつが思い出され、そのどれも『途中であること』を再認識することができ、もう一度チャレンジしようと思い、監督就任のお話を、引き受けさせていただく決意をしました。
 2017年に降格したにも関わらず、私の仕事ぶりを評価し、再びこのヴァンフォーレ甲府で指揮を任せることを決断してくれたクラブに感謝します。そして、再度受け入れて頂いたスポンサーの皆様、関係者の皆様に感謝します。
 山梨で出会った多くの方々と再会できること、また、新たな出会いに大きな幸せを感じます。
 チームは全力を尽くします。日々強くなるよう努力します。シーズンを通して絆を深め、成長して行く、そんなチームを作ります。
 前任の伊藤彰監督と渋谷洋樹コーチの努力を引き継ぎながら、チームに新たな緊張感をもたらせたらと思います。
 そして、最後には結果を勝ち取ります。
 ヴァンフォーレ甲府ファン、サポーターの皆様、長いシーズン、皆様に勝たせてもらう試合があるでしょう。皆様に勇気づけられることで乗り越えられる困難があるでしょう。
 この挑戦を共に楽しみ、そして勝ち取りましょう。
2022年1月3日 吉田達磨」

吉田達磨(よしだ・たつま)
■生年月日:1974年6月9日(47歳)
■出身地:埼玉県
■選手歴:東海大浦安高 - 日立製作所サッカー部/柏レイソル - 京都パープルサンガ - モンテディオ山形 - ジュロンFC(シンガポール)
■指導歴:
 2003年~:柏レイソルユース コーチ
 2004年~:柏レイソルジュニアユース コーチ
 2005年~:柏レイソルU-15 コーチ
 2006年~2007年:柏レイソルU-18 コーチ
 2008年~:柏レイソルU-18 監督
 2009年~:柏レイソルU-15 監督
 2010年~:柏レイソル アカデミーダイレクター
 2011年~:柏レイソル 強化部長
 2012年10月~:柏レイソル 強化部ダイレクター
 2013年~2014年:柏レイソル ダイレクター
 2015年~:柏レイソル 監督
 2016年~2016年9月:アルビレックス新潟 監督
 2017年~2018年4月:ヴァンフォーレ甲府 監督
 2019年5月~:シンガポール代表 監督

■佐久間悟社長コメント
 ヴァンフォーレ甲府は、この度、前シンガポール代表監督でありました、吉田達磨氏をトップチーム監督に就任していただくことと致しましたので、ヴァンフォーレ甲府に関わる全ての皆様にご報告させて頂きます。
 就任する吉田達磨監督は、皆様ご存じのとおり、2017シーズンに「今後のJリーグとクラブを取り巻く環境の変化に対応すべきサスティナブルなクラブ創りの一環として、新たなチームスタイルの構築とJ1残留」を目標に掲げたミッションに監督として奮戦努力して頂きましたが、皆様のご期待にお応えする事は叶いませんでした。
 しかし、クラブは、昨シーズンまで、2017シーズンからの継続性を十分に意識して、監督人事とチーム編成を行ってきたところでありました。
 また、2022シーズンを迎えるあたり、退任された伊藤監督を始めとするコーチングスタッフと現有戦力を極力留め「継続性に重きを置いた」チーム作りをと考えておりましたが、指揮官を交代せざるを得ない状況となりました。
 そこで、クラブといたしましては、昨シーズンの成績を鑑み、特に後半戦の躍動感はこれまでの積み上げの成果であったと評価し、改めて「継続性」という観点と更にはより前への推進力に期待し、シンガポール代表監督として力戦奮闘しておられた吉田達磨氏に対して、改めて監督就任のお願いをした結果、「迷うことなく、ご快諾頂き」「自らリベンジしたいという強い想い」を頂いたこともあり、再度、ヴァンフォーレ甲府の監督にご就任して頂くこととなりました。
 2017シーズンから、クラブを取り巻く環境を捉えて取り組んできたものを継続して、持続する。ヴァンフォーレ甲府は皆がチャレンジし続けるクラブであり、クラブとして、無くしてはいけないこと、変えてはいけないこと。を改めて鑑み決断したものであります。
 ヴァンフォーレ甲府に関わる全ての皆様方には、改めてご協力を賜りたく、お願い申し上げます。


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