2021年11月14日、明治安田生命J2リーグ第39節が開催された。ケーズデンキスタジアム水戸では水戸ホーリーホックとジュビロ磐田が対戦。引き分け以上の結果でJ1昇格が決まる首位・磐田は重圧をはねのけ、前半からゴールを重ねて3-1で勝利。2019年以来のJ1復帰を決めた。

上写真=J1昇格を決めて記念撮影を行なったジュビロ磐田の選手たち(写真◎J.LEAGUE)

■2021年11月14日 明治安田生命J2リーグ第39節(@ケーズ/観衆人)
水戸 1-3 磐田
得点:(水)オウンゴール
   (磐)大井健太郎、大森晃太郎、ルキアン

・水戸メンバー:GK牲川歩見、DF三國スティビアエブス、鈴木喜丈、タビナス・ジェファーソン(38分:藤尾翔太)、MF今掛航貴(46分:黒石貴哉)、新里涼、大崎航詩(72分:山根永遠)、松崎快、平塚悠知(38分:奥田晃也)、FW伊藤涼太郎(79分:安藤瑞季)、中山仁斗

・磐田メンバー:GK三浦龍輝、DF山本義道、大井健太郎、伊藤槙人、MF小川大貴(85分:松本昌也)、山本康裕、遠藤保仁(72分:今野泰幸)、鈴木雄斗、山田大記(85分:金子翔太)、大森晃太郎(56分:大津祐樹)、FWルキアン

鈴木監督の心配を減らしたかった(服部コーチ)

 J1昇格のかかるゲームだったが、磐田はスタートからアグレッシブだった。相手の動きを見ながらボールを動かし、ゴールを目指す。12分、右CKを得るとショートコーナーを選択し、山本康がクロスを入れる。いくつもの修羅場を潜り抜けてきた大井が先制ヘッド。いきなり均衡を破ってみせた。

 その3分後、磐田が追加点を挙げる。山田の縦パスを受けた小川貴がボックス右に進入。大森につないで2-0とした。

 2点のリードを奪った磐田は、相手のプレスを落ち着いていなし、パスとドリブルを交えながら前進して相手ゴールを目指す。長いシーズンを戦いながら深めてきたコンビネーションは昇格決定試合でも有効だった。

 前半の終盤にはメンバーチェンジとポジション変更によって勢いを増した相手に押され、後半開始後にもペースを握られたが、51分に山田のパスを受けたエースのルキアンが力強いドリブルで持ち上がり、そのままシュート。今季22ゴール目をスコアしてダメを押した。

 その後、水戸の反撃に遭ったが、失点をオウンゴールによる1点に抑え、3-1で勝利。重圧をはねのけ、勝負強さ示して2019年以来3年ぶりのJ1復帰を決めた。

「今季の目標であるJ1昇格というのは、選手だけの力ではなくて、ここに来てくれたサポーター、磐田で応援してくれているサポーター、色んな方に助けられて今日、決められたと思います。(昇格を決めて)ホッとしたという思いが一番ですね。周りから見れば勝ち点差があっていつかは、と思っていたかもしれないですが、なかなかそういう考え方には…プレーしている方は、選手もコーチもなれなかったです。なので早い段階で決めたいというのがありました。あとは鈴木政一監督に対して1日でも早く、心配を一つでも減らすことができればという気持ちでやっていました」

 鈴木監督は昇格秒読みとなっていた10月27日に体調不良を訴え、検査入院。現在は退院しているがまだ静養中だ。指揮官に吉報を届けたい思いがチーム全体にあったことを服部年宏ヘッドコーチは明かした。この日の先制ゴールを挙げた大井も同じ思いを口にしている。

「自分たちで決められる立場にいたので1試合でも早く決めて、マサくん(鈴木監督)のストレスとかも緩和させてあげたかったし、今日決めるぞという気持ちがあったので、すごくうれしいです」

 終盤は監督不在となったが、昇格決定まで16戦無敗で走り抜けた。敵将・秋葉忠宏監督は「J1レベルのチーム」とその戦いぶりを称えたが、ハードワークできて、戦況に応じてペースを変えられる。安定した戦いぶりはJ2では頭一つ抜けていた。来季、磐田は3年ぶりにJ1を戦うが、その前にJ2優勝という目標もある。服部ヘッドコーチは「昇格決めたあとで緩めないように。その権利を持っているので」と語り、次戦以降もしっかり磐田らしさを示し、優勝でシーズンを終えたいと語った。


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