上写真=檀崎竜孔が力強く語ったのは「試合に出てなんぼだから」の言葉。ピッチでその意欲を表現する(写真◎スクリーンショット)
ブリスベンで背番号10、チームトップの9得点
やはり実戦が選手を強くする。北海道コンサドーレ札幌からジェフユナイテッド千葉に期限付き移籍で加入した檀崎竜孔が、移籍会見で強調したのはやはり、オーストラリアでの経験だった。
オーストラリアのAリーグ2020−2021シーズン、ブリスベン・ロアーに加わって背番号10をつけて全26試合に出場、うち24試合が先発で、9ゴールはチームトップ、全体では7位タイで、チームは4位でフィニッシュした。シーズンを通して、しかもエースストライカーとして戦い抜くことができたから、大きな自信になった。
「オーストラリアでシーズンを通して全試合に出場できたのは、経験をしっかり積めたと思っています。その中で得点を決めるのが僕の仕事だと思っています」
7月23日に札幌復帰が発表されたが、札幌ではベンチ入りできなかった。だから、「試合に出てなんぼですから」と千葉からのオファーに即答だったという。しかも、8月12日の発表の数日前に動いたディールだというから、急転直下だった。
オーストラリアでのプレーは「すごく楽しかったです」と振り返る。
「日本人の特徴でもあるアジリティー、俊敏さは(オーストラリアの)大柄な選手に比べたらあると思うので、そこは通用したと思っています」
檀崎はもともとが切れのあるドリブルやランニング、ターンが得意な選手。オーストラリアのシーズン9ゴール目も、相手を背負いながら上半身のフェイクで振り切って右に出て、逆サイドに流し込んだ切れ味鋭いステップが生んだ。相手の弱点と自分の強みがうまくはまった実感だ。「日頃の練習から取り組んでアピールしてきたのと、結果で示せたこと」が全試合出場につながったと自負していて、同じことを今度は千葉でやり抜いてみせる。
「よりゴールに近いところでプレーしたい気持ちはあるので、シャドーであったり前線でしっかりプレーして結果を出すのが僕の仕事です。いまは楽しみでしかない」
「抜け出していくところであったり、クロスに入っていくところは常に狙っています」
そうきっぱり言い切る。
尹晶煥監督はチームの雰囲気がおとなしいことを少し心配している。外から新しく加わった選手が風穴を開けることにも期待したい。
「しっかり100パーセントで取り組むことですね。プレーで勢いづけることももちろんですし、僕にできることはそういうところではないかなと思います」
自らの強みを「アグレッシブ」と表現するアタッカー。後半戦のキーマンになるべく、結果を残すだけだ。