上写真=サウダーニャは14試合で3ゴール。チームが勝つためのプレーを心がける(写真◎J.LEAGUE)
「シンプルにボールをくれるように要求しています」
ジェフユナイテッド千葉はJ2リーグ再開から、モンテディオ山形、アルビレックス新潟、ヴァンフォーレ甲府、V・ファーレン長崎という上位チームとの連戦というスケジュールだ。8月9日の山形戦は1-3で敗れ、1引き分けを挟んで10連勝という相手の勢いにのまれてしまった。最前線でゴールを狙ったサウダーニャが放ったシュート2本も実らなかった。
「パスを多く回すチームで、こちらのラインが下がりすぎました。カウンターに出たときにもゴールという形で完結できませんでした。修正すべきところは明確になったので、次の試合ではしっかり修正できると思っています」
次の対戦相手となる新潟もさらに「パスを多く回すチーム」だ。山形戦の反省を生かしたいが、修正点については「ここでは言えないけれど」としながらも、「監督に求められたことは遂行していきます」と話して、尹晶煥監督からのタスクを頭にたたき込んでいる。全体が下がりすぎてしまったと悔やんだ守備については、特に。
新潟は最終ラインからチャンスの起点になるパスをどんどん出してくる。サウダーニャに加えて船山貴之、見木友哉のシャドーと3人の連係で、彼らのプレーの選択肢をどんどん削っていきたい。
「僕たちも頑張らなければいけないし、そのためにこういうときにはこうしたほうがいい、と3人で話をしています」
「守備では前の3人で連動する事が必要ですが、その前にチーム全体でディフェンスして、しっかりラインを上げる作業をしなければなりません」
「試合状況によってはブロックを高い位置にするのか真ん中ぐらいに保つのか、それとも後ろに引くのか、使い分けをする必要があります」
相手に押し込まれて、ずっと下がりっぱなしでは試合が難しくなる、ということだ。そこをクリアできれば、自らの攻撃力を生かす場面が訪れる。
「シンプルにボールをくれるように要求しています。それは、自分でゴールを決めたいからではなくて、チームにチャンスを作るために必要だからです。そうすれば、アシストでも貢献できると思います。自分が決めても決めなくてもジェフが勝てばいいと思っていますから」
とはいえ、14試合で決めた3得点はどれも、デビューして間もない5月に決めたもの。しばらく遠ざかっているから、そろそろ決めたいところだ。
「カウンターの形では縦に速く攻めることができていますが、さらにバリエーションはほしいと思っています。そのためにも、もう少しボールを保持しなければいけないと思います。そうすれば、もらう側はまず裏を狙うことができますし、その前に相手を走らせるために、揺さぶるためにボールを保持していく必要があります」
バリエーションを増やすという意味では、さらにサイドを深く崩してクロスから決めるパターンも有効になるはずだ。縦のカウンターと横のクロス。その組み合わせで、幅を広げたい。
「(3-4-3という)システム上、サイドのウイングバックが非常に有利になるフォーメーションです。自分が得意なのは日本に来た当初から見せてきたように、もらってからターンしてゴールに向かっていくことですが、それは研究されてきています。変化を加えないといけないし、いろんな形で取れないといけないと思います」
しっかりと高いラインを保ってボールを保持して、カウンターだけではない攻撃で崩していく。サウダーニャの考えるスタイルを新潟にぶつけて、ホーム4勝目を手にするつもりだ。