上写真＝新潟の次のスター候補、三戸舜介が初めて先発でピッチへ。敗戦は悔しいが、成長の糧にしてみせる（写真◎J.LEAGUE）
■2021年5月23日 明治安田生命J2リーグ第15節（＠デンカS/観衆12,684人）
新潟 0-1 京都
得点：（京）川崎楓太
「中に入って関係を作ってくれと」
三戸舜介は、自分でも意外な先発起用だったという。
「すごい大事な一戦で、自分がなんで先発なのかなと不安もありましたけど、やるしかない、と。スタメンがすごくうれしかったですし、思い切ってやろうと思っていました」
J2で首位を走り続けたアルビレックス新潟が、勝ち点1差で3位の京都サンガF.C.を迎えたゲームで、アルベルト監督はルーキーの三戸を先発で起用、右サイドハーフに置いた。これまでは途中出場で右サイドを起点に攻撃のアクセントになっていて、アルベルト監督に「しっかり成長を遂げて、スタメンとしても活躍する準備が整ったと思いました」と認められて、初めてキックオフからピッチに立った。
京都は自慢の超ハイプレスを序盤から仕掛けてきた。アルベルト監督が「ウイングが中央のポジションを取って、ギャップを突いて打開する解決策をチームに提供してくれました」と話したように、強烈なボールアタックをかいくぐるために三戸も重要な役割を果たした。
「監督からは僕と（本間）至恩くんが中に入って関係を作ってくれと言われていました」
「2列目のところで受けて、ドリブルで相手を釣りだしてくれ、と言われていて、そういうプレーは得意な方なので、ボールを受けてゴールやアシストを意識してプレーしていました」
初先発で言い渡されたミッションをそう明かした。
「何度かいい形ができたのは良かったですけど、もっとやりたかったというか、自分でゴールやアシストをしたかった」
その最大のシーンが前半終了間際の46分だっただろう。中盤で相手に奪われかけたボールをうまく自分のものにしてから、すかさず本間にパス。そのままドリブルシュートで狙った。GK若原智哉にパンチングで逃れられたが、テクニックのある2人が近い距離でプレーすればチャンスになることを証明した。
今季は交代選手として少しずつ出場時間を伸ばして、この日は70分プレー。「いままで長くて20分ぐらいだったけど、今日初めて70分出て、疲れたというのはありますね。でも、スタートからの雰囲気や試合の流れは学べて勉強になりました」と初々しい。
だがやはり、ゴールに絡めなかったことを悔やんだ。チームとしても0-0、1-2、そして0-1と3試合連続で勝てていなくて、得点もわずかに1と鳴りを潜めている。
「シュート数を増やしたり前線の選手の決定力はもっと上げていかなければいけないと思います。自分も含めて」
得点力復活へのポイントをそう見ている。周囲の評価は非常に高い。「とにかく満足していません」という強気の姿勢で、その評価をさらに超えてみせる。
写真◎J.LEAGUE
