明治安田生命J2リーグで、ついにアルビレックス新潟の連続得点試合が途切れた。第13節の相手、松本山雅FCの巧みな守備戦術を前に、チャンスは作りながらもゴールネットを揺らすことはできなかった。4つのチャンスをふいにすることになった谷口海斗は、さらなる大胆さを求めていく。

上写真=谷口海斗は得意の裏抜けから多くのチャンスを作った(写真◎J.LEAGUE)

■2021年5月9日 明治安田生命J2リーグ第13節(@デンカS/観衆13,101人)
新潟 0-0 松本

「いい経験になったと思います」

「相手がしっかり守ってくる中で、1本でも自分がチャンスを決めきれればもっと流れも結果も変わったというのはあります」

 アルビレックス新潟のFW谷口海斗は、松本山雅FCに対して作ったチャンスを物にできなかった自分を責めた。

 21分、ペナルティーエリア左で相手のミスでボールがこぼれてくると、腰をひねりながら左足で狙うが、GKにセーブされた。51分、藤原奏哉からのロングパスで右裏にタイミング良く抜け出すと、トラップが少し乱れて足元に入ったものの、中に持ち出して左足でシュートを放ったのだがバーの上へ。64分には高木善朗のフリックパスから左裏に抜けて、またも左足で打ったもののGKへ。69分には本間至恩の左から中央へのドリブルに対して交差するように左に流れるとスルーパスが出てきて、中に持ち直してから右足でシュート。これもGKの正面を突く。

 少なくともこの4つのうちのどれか一つでも決まっていれば、の思いがにじんだ。

 松本は守備の意識を高めて3-4-3システムをベースに、ときには5バックで固めてきた。それでも谷口が迎えただけでも、新潟にはこれだけのチャンスがあった。だが、今季初の無得点。何かが足りない。谷口はそこに、大胆さの欠如を見た。

「ボールを動かすことと、クロスのタイミングを早めに上げてもらったり、大胆なプレーがあれば何か変わったのかなと思います」

 松本は徹底した本間至恩対策も施してきて、それを回避するために谷口は前半途中から本間とポジションを入れ替えながら、ゼロトップ気味に試合を進めるなど、変化も加える必要があった。

「相手もしっかり分析してくる中で、そういうことはこれまでもありましたけど、もっともっとチャンスの数を増やしたり、もう一個、相手の裏を突く動きができればよかったと思います」

 前半はチームとしても自身のシュート1本に抑え込まれたが、後半は得意の裏抜けで相手の守備ラインを破っていった。それをさらに追求しなければならない。

「得点が取れなかったので大胆なシュートや、そして、自分がそうなんですけど、ゴールを脅かすプレーや動き出しをもっとやっていきたいと思っています」

 仲間にも自らにも求める大胆さ。6位FC町田ゼルビア、3位京都サンガF.C.、2位FC琉球、5位ヴァンフォーレ甲府と上位との戦いが続くここからにこそ、その大胆さが必要になってくる。

「今日はホームでしたし、しっかり勝ちたい気持ちがあったけれど、相手が対策する中でこじ開けるところをやっていければよかったのかな。より自分たちも攻撃のバリエーションや工夫が必要だと感じました。いい経験になったと思います」

 貴重なレッスンは、次に生かさなければならない。まずは町田戦でゴールを決めて証明したい。


This article is a sponsored article by
''.