1月21日に京都サンガF.C.がYouTubeライブで開催した新体制発表会。新たにチームを率いることになったチョウ・キジェ監督は「HUNT 3」という言葉を掲げて、自らの故郷での挑戦へ思いを語った。

上写真=チーム作りについて画面の向こうのファン・サポーターに熱く語りかけたチョウ・キジェ監督。故郷での挑戦に心躍らせているという(写真◎京都サンガF.C.)

「感動し涙を流し一緒に喜んでもらえるような情熱的なチームを」

「まずはじめに一昨年、前チームの湘南ベルマーレで私自身が引き起こしてしまったハラスメント行為について、被害者の皆さまや関係者の皆様に多大な迷惑をかけたと思っております。この場を借りて謝罪したいと思います」

 そんな懺悔の言葉から、チョウ・キジェ監督の所信表明は始まった。2019年夏、ハラスメント行為が発覚して日本サッカー協会から公認S級ライセンスを1年間停止されていたが、2020年10月に復帰。流通経済大でコーチを務めるなど、再び現場で研鑽を積んだ。

「その時期から約1年半、プロの現場を離れ、さまざまな研修を受け、いまここに立たせてもらっています。ここ京都は僕が生まれた街で、52年前、下鴨神社の横で生まれたんですけど、ずっとサッカーにエネルギーをもらい、サッカーに育ててもらった自分が、素晴らしいスタジアムで新シーズンを迎えられることに心躍らされます」

 故郷で再出発。そんな物語を周りは描きたくなるが、自身は「ノスタルジーで受けたわけではない」ときっぱり。ただ、これも不思議な縁なのだろう。

「京都は世界中で有名な都市で、コロナ禍で観光客の皆さんの数が減っていると聞いていますが、街の持つポテンシャルや京都の皆さんの持っている情熱を結集し、見に来てくれた人がたくさん感動し涙を流し一緒に喜んでもらえるような情熱的なチームを作り上げたいと思っています。そのために、いまいる選手、スタッフと一緒に全員で一つの方向に向かって戦っていきたいと思います」

 クラブとしてのスローガンは「一心」になると発表されたが、チョウ・キジェ監督を始め、現場スタッフの目指すところを「HUNT 3」というフレーズに集約した。掲示したフリップにはこう書かれている。

HUNT 3
我々は、見ている人が引き込まれるインテンシティと究極に勝負にこだわる姿勢を見せ、新しいチャレンジを恐れず、タフに戦い続けます。

[H] HIGH INTENSITY
[U] ULTIMATE
[N] NEWBORN
[T] TOUGH

「勝ち点3を奪いにいく、直訳すると『狩りにいく』ですが、自分たちからすべてのものを得ていくようなチームにしていきたい。新しいチャレンジを恐れずタフに、本当に一つ一つ突き詰めて、究極に勝ち点3にこだわる。しかし選手の成長を妨げず、応援するスタンスを忘れず、我々がここにいる選手たちをハッピーにできるように、きれいごとかもしれないけどそれを目指して、純粋に勝負に対して、サッカーに対して向き合っていきたいと思います」

 補強についてもこの「HUNT 3」に基づいて行ってきたと明かす。

「補強する選手が、いまの選手が足りないから変わるというより、『HUNT 3』のために切磋琢磨できる選手で、仲間をリスペクトして毎日いい競争をして、サンガスタジアムで戦うのではなくて、サンガタウン(練習場)で毎日戦った選手が代表してここでプレーするという循環を作るために来てもらったと認識しています。去年までの選手と新しい選手がいいところを出し合って融合すれば、必ずいいチームになると思います」

 戦う集団へと加速度的に変化して、混戦必至のJ2に挑んでいく。その目標は?

「これだけのスタジアムでプレーできるので、90分+アディショナルタイムの間、一瞬も息ができないぐらい攻守に目まぐるしい展開にもっていきたい。その中で、選手が全力を出しきったという試合を何試合もやりたいと思っています。その積み重ねが目指す頂点、それはまだ見えないかもしれないけど、その景色を選手に見てもらうために僕たちが頑張っていかなきゃいけないと思います。日々の積み重ねこそが目標に近づくと信じています。そこに近づく努力だけは約束できます」

 2021年の京都は、何かが変わる。


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