関東大学1部リーグに所属する桐蔭横浜大は13日、神奈川県横浜市内の同校キャンパスでJリーグ加入内定選手7人の合同会見を行ない、それぞれがプロ入りの意気込みなどを語った。ヴァンフォーレ甲府に加入する鳥海芳樹は甲府入りを「即断」したという。

上写真=甲府入りが内定している鳥海芳樹(写真◎杉園昌之)

「ドリブルは走っているより速く見える」(森スカウト)

 ヴァンフォーレ甲府から正式オファーの連絡を受けたのは、昨年の12月21日だった。鳥海芳樹はうれしくてたまらず、すぐに決断。翌日には甲府の森淳スカウトに直接会い、またたく間に内定までことは進んだ。

「即答でしたね。人生で一番うれしかったです。甲府でブレイクしてきた選手たちをスカウトしてきた森さんに声をかけてもらったのも大きかったです」

 満面の笑みで取材に応じていたが、内定が決まるまでは不安で仕方なかった。

「最後まで絶対にあきらめない気持ちを持ち、自信を持ってやってきましたが、眠れない日もありました」

 同期は次から次に内定をもらうなかで、焦りも生じた。関東大学リーグでは得意のドリブルで好機をつくり、チームの勝利に貢献していたが、納得のいく数字は残せないままリーグ戦の全日程が終了。鳴り物入りで大学に入学したドリブラーにとっては、想定外の事態だったのだ。

 桐光学園高時代には全国高校選手権に出場し、全日本高校選抜にも選ばれた。大学では1年生からレギュラーとなり、関東大学1部リーグで活躍。プロの世界を甘く見ていたわけではないが、内定をひとつももらえずに4年生の12月まで過ごすとは想像もしていなかった。そばで見守り続けた両親の思いも同じである。

「心配をかけたと思います。だから、内定が決まったときは真っ先に親に報告しました。これから少しずつ恩返ししていきたいです。1年目から結果にこだわり、スタメン定着を目指します」

 大学4年間もプロの舞台で活躍するために技を磨いてきた。得意のドリブルだけではなく、守備力も向上させた。準備は万端だ。森スカウトは、即戦力として計算している。

「スピードに乗ったドリブルは本物。普通に走っているより速く見えますから。まさか甲府に来てくれるとは思わなかったです。それくらいのタレント。J2では目立つくらいの活躍すると思います」

 伊東純也(現ゲンク=ベルギー)、佐々木翔(現サンフレッチェ広島)、稲垣祥(現名古屋グランパス)らを発掘してきた目利きの一押しである。期待せずにはいられない。

◎プロフィール
鳥海 芳樹(とりかい・よしき)
■生年月日:1998年8月1日(22歳)
■出身地:神奈川県
■身長/体重:165cm/62kg
■血液型:O型
■ポジション:MF
■利き足:右

取材◎杉園昌之


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