J2のレノファ山口の渡邉晋監督が8日、維新みらいふスタジアムで就任会見を行ない、チームづくりの指針や目標などについて語った。昨季山口は最下位と低迷し、J1のベガルタ仙台を6季指揮した手腕に期待がかかる。

上写真=レノファ山口の渡邉晋・新監督が就任会見を行なった(写真◎レノファ山口FC)

クラブの明確なビジョンに心ひかれた

 2021年シーズンからJ2のレノファ山口で指揮を執る渡邉晋監督は、晴れやかな顔で就任会見に臨み、オファーを受けた経緯から説明した。

「明確なビジョンを持っているところに強くひかれました」

 フロントが情熱を持って取り組んでいるところにも心を動かされた。決心してからはすぐに行動に移す。山口の試合をほとんどチェックし、チームの長所と短所を細かく分析。リーグワースト失点を喫した守備の改善はもちろん、クラブの指針に沿いながら丁寧にチームづくりを進めていく。

「このクラブには、すでにプレーモデルがあります。まずはアグレッシブにボールを奪いにいく。そして、攻撃で主導権を握る。そこを変えないです」

 ストロングポイントの一つである再現性の高い攻撃のコンビネーションはより磨きをかけて、得点力アップにつなげていくつもりだ。ただ、今季は4チーム降格する厳しいシーズン。最下位からの大きな巻き返しがなければ、残留争いも待っている。仙台のコーチ時代にはJ2を経験しており、リーグの厳しさは百も承知である

「強烈な危機感はもたせます。悲観的になるのではなく、それを健全なエネルギーに変えていきたい」

 降格圏内をぎりぎり免れるようなシーズンにするつもりもない。中期計画を立てており、はっきりと宣言した。

「2年でJ1昇格をつかみ取ります。そのためには1年目の今季は本気度を示したい。可能性を感じ取ってもらえるようにします。残留争いをしているようではだめだと思っています」

 今季の具体的な目標順位も勝ち点もすでに定めているが、12日のチーム始動日に選手たちへ説明した後で発表する予定だ。

 1年ぶりの現場復帰で意気揚々としている。2014年途中から19年までベガルタ仙台を率い、J1を戦い抜いてきた実績は本物。昨年は充電期間に充てた。東京の自宅で朝からブンデスリーガ(ドイツ)、プレミアシップ(イングランド)などの海外サッカーを研究し、日々テレビの前でノートにメモを取って最先端のサッカーをインプット。昨年9月から12月までは神奈川大で約3カ月、大学生たちを指導し、現場の感覚を忘れないようにもした。そして、満を持してのチャレンジ。J2最下位からの厳しい船出となるが、腕の見せどころである。山口のファン・サポーターも街もすべてを巻き込んでいくつもりだ。

「周りを本気にさせる。クラブを取り巻く環境がその気にならないとJ1昇格はできない」

 47歳の目も本気である。


This article is a sponsored article by
''.