37試合、3,120分の出場はチーム最長。明治安田生命J2リーグで昇格に迫るアビスパ福岡にあって、守備の要に成長した上島拓巳の存在感は抜群だ。理路整然と課題と収穫を語る姿は、まさしくディフェンスリーダーにふさわしい。

上写真=リーグ最少の26失点というチームで、上島拓巳が守備のキーマンであることに疑いはない(写真◎J.LEAGUE)

「自分たちの形を出せた試合だった」

 クリーンな頭脳の持ち主であることは、そのプレーを見ても話を聞いてもすぐに分かる。理路整然とした受け答えは、ピッチの中で見せる緻密なディフェンスコントロールと通底している。

 J2第37節の大宮アルディージャ戦は1-0で逃げ切りに成功した。センターバックを務める立場としては、ぎりぎりの戦いを乗り越えたことに大きな自信を感じている。

「まずは前半を無失点で終われたこと、そして後半にフアンマ選手が1点を取ってくれて、自分たちの形が見えました。1-0で勝っている試合は今季はたくさんありますし、それが自分たちの形になりつつあるので、先制点を取れたことで自分たちの形に持っていけるぞというチームとしての意思統一、自信があの先制点によって生まれました」

 そうなればもう、こちらのものだ。37試合でわずか26失点と堅守を誇る福岡のリズムに持ち込めた。

「これまでしびれる緊迫したゲーム展開をものにしてきた自信から、今回の試合もゼロで抑えて1-0で終えることができました。ですから、自分たちの形を出せた試合だったと言えると思います」

 大宮は1トップ2シャドーで前線を組み、ギャップにうまく入りながら攻め込んできた。

「前半は少し相手のウイングバックやや2シャドーを捕まえきれずに後手を踏むシーンが目立ったんですけど、給水タイムのところから改善できて捕まえられました。5バックの相手に対してはシステム的にミスマッチが起きやすいんですけど、そこを早い段階で改善できたところが昨日の試合の良かった点だと思います」

 54分の大宮の攻撃で、2シャドーの一角、嶋田慎太郎が福岡から見て左サイドに出てボールを収め、内側のレーンを走ったウイングバックの山田将之がこちらの守備ラインの裏側で受けて切り返し、シュートを打ってきた。これはGKセランテスがしっかりと弾いて事なきを得たのだが、シュートの瞬間、抜群のタイミングでスライディングしてコースをふさいだ上島のファインプレーがあったからこそだった。


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