明治安田生命J2リーグで12連勝で首位に立ったアビスパ福岡は第28節でFC町田ゼルビアと対戦。町田ペースだった前半から、なんとか後半に盛り返したもののスコアレスドロー。負けなかったが連勝は12で止まった。

上写真=安藤(16)とグローリの激しいバトル。ともに譲らずに0-0で引き分けた(写真◎J.LEAGUE)

■2020年10月21日 J2リーグ第28節(@Gスタ:観衆1,008人)
町田 0-0 福岡

画像: ■2020年10月21日 J2リーグ第28節(@Gスタ:観衆1,008人) 町田 0-0 福岡

「やはり悔しい引き分けでした」

 首位に立ったアビスパ福岡、13連勝なるか。注目のアウェーゲームはFC町田ゼルビアと0-0に終わった。ひとまず連勝は12でストップとなった。

 前半、福岡は左右にボールを動かしながら種類豊富なクロスボールを入れてゴールに迫るが、町田の壁を破ることはできない。むしろチャンスは町田の方に多くあった。特にゴールまであと一歩に迫ったのが15分。右サイドからのFKを高江麗央が素早く逆サイドへ。受けたジョン・チュングンがゴールに向かってドリブルで進み、寄せてきたDF2人の間を力強いシュートで抜いた。これは惜しくもGK村上昌謙が触ってバーに当たり、ゴールにはならなかったが、高江がパスでチームを牽引して福岡を揺さぶっていった。

 前半、福岡はシュートゼロに終わったが、後半もまずは町田のチャンスでスタート。47分に高江のスルーパスで抜け出した安藤瑞季がGKと1対1になるが、片手一本のセーブで止められた。

 福岡の最初の交代が一つの潮目になった。57分に前貴之が投入されてボランチに入ると、福岡が落ち着いてボールを動かせるようになって、改めて右に左に動かしてクロスを狙っていく。積極的なフィニッシュが増え、特に81分はビッグチャンス。右からのエミル・サロモンソンのグラウンダーの折り返しに木戸皓貴が巧みにゴール前に入ってワンタッチゴールを狙ったが、わずか左に切れていった。

 クロスの数は多かった一方で、縦に差し込むパスがなかなか繰り出せず、しかしフアンマ・デルガドと山岸祐也の2トップがチャンスに絡めないまま。長谷部茂利監督はその攻撃について「前半は距離感が少し悪かったかな、と思いました。もう少し意図的に前へ、斜めへ、あるいは背後も含めてチャンスにつながるパスワークを見せたかった」として、前を投入したこともあって「後半はいい時間もあった。それが始めからあればチャンスは増えたと思います」と反省した。

 一方の町田は、後半は押し込まれたものの、DFを中心に守備は安定。福岡が繰り出すさまざまな種類のクロスを落ち着いて弾き返し、これで3試合連続で無失点と堅守が自慢になってきた。ランコ・ポポヴィッチ監督は開口一番「ファンタスティックなゲームだった」として、12連勝で首位を走るチームに互角以上の戦いをした選手たちを労った。「決定機の数はうちの方が多く作れていたと思うし、あれだけ守備の堅いチーム相手に決定的なチャンスを作れたのは成長している証だと思う。決定力、決めきるところだけ足りなかったが、しっかりまとまって戦い方を共有した90分だった。そういう試合で勝ち点3を取りたかったのが本音だが、福岡も強いチームだから、連勝をストップさせたのは一つの結果なのではないかなと思います」と満足気に振り返った。

 いずれにしろ、福岡にとってはやはり悔しいドロー。4連続アウェーゲームの最後で小休止となったが、長谷部監督は「勝ち点は取れましたが、悔しい引き分けでした。選手はもっともっとプレーしたかったと感じていると思います。ただ、やろうという前向きな姿勢は示すことができました。悪くはなかったけれど、やはり悔しい引き分けでした」とこちらも選手の戦いを称えた。

現地取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE


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