明治安田生命J2リーグ第23節で、ジェフユナイテッド千葉は京都サンガに0-0で引き分けた。ホームでのドローは望ましくはないが、2試合連続無失点という事実は千葉にとっては大きい。新井章太はミスを補い合うムードを歓迎する。

上写真=試合後に味方を労う。新井は終始、声をかけて、チームの守備の意識を高めた(写真◎J.LEAGUE)

■2020年9月30日 J2リーグ第23節(@フクアリ:観衆1,768人)
千葉 0-0 京都

「共通意識が全体で生まれてきている」

 2試合連続クリーンシート。ジェフユナイテッド千葉にとっては今季2度目のことだ。第13節V・ファーレン長崎戦から第18節アルビレックス新潟戦までの1引き分けを挟んで5連敗という苦しい時期を超え、GK新井章太は守備への確信を持ち始めている。

「本当にすごく良くなったと感じる試合でしたね。特に守備の面で。あとは決めきるところが課題ですが、この2試合の結果に表れているように、みんな守備への貢献度が高いという印象あります」

 前節はアウェーでFC琉球に攻め込まれながらも落ち着いて跳ね返して1-0の勝利。この日も得点ランクトップを走るピーター・ウタカ擁する京都サンガに、得点こそ奪えなかったが0-0。攻撃に特徴のある2チームに対してどちらも失点しなかったことは非常に大きい。

「もちろん、勝ちがほしいですけれど、相手の勢いを出させないでしっかり守備してカウンターで攻撃に、という狙いを持っていました。シーズンを通していままで引き分けが少なかったので、貴重な勝ち点1になりました」

 尹晶煥監督が試合の前日に話していたのは、守備のバランスが整ってきたということ。過ぎたるは及ばざるが如し、で、前から奪いに行っても行き過ぎてしまって間延びしてしまったのを修正でき始めたという。その実感が、新井にはある。

「全員がしっかり戻ってから守備をするというやり方が徹底されて、後ろから守れていました」

 京都がひっきりなしにボールを動かしてきたが、その動きに吸い寄せられることなく、ブロックの中に入ってきたボールに前向きでアタックできる態勢を全員で整えていたのだ。前回の京都との対戦では自陣でのミスから失点しただけに、同じ過ちを繰り返すつもりはなかった。

「どの試合でももちろんミスは起こります。あのときは、どっちに転ぶか分からない状況でこちらにミスが出てしまった。毎試合そうですけど、だからそこは意識して試合に入りました。ミスしてもほかの10人全員でカバーしようという声は掛け合っていたので、それが実践できてよかったです」

 そのことは、尹晶煥監督の言う「高い集中力」と「徹底したリスク管理」の発露だった。

 この2試合は同じ先発メンバーで臨んでいるのも大きいという。「試合を重ねていくごとに良くなっていくのはメリットですね。まず守備をメーンにしているチームなので、細かい部分で共通意識が全体で生まれてきているのを感じます」

 あとはゴールが必要だが、正しい守備が正しい攻撃を生むのが今年の千葉のスタイル。次節はザスパクサツ群馬戦。前回対戦ではアディショナルタイムに決勝ゴールを奪われた悲劇の相手だけに、新井も「チャレンジャーの気持ちで仕掛けて、勝ち点3を取って帰ってきたい」といまから燃えている。

取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE


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