首位・ギラヴァンツ北九州に雪辱を果たし、シーズン後半戦を勝利でスタートさせた東京ヴェルディ。決勝ゴールを挙げたのは小池純輝だ。4試合ぶりの勝ち星をもたらした立役者は「自分たちのサッカーを証明したかった」と語った。

上写真=前半23分、巧みなラップからの反転シュートでゴールを決めた小池(写真◎J.LEAGUE)

■2020年9月27日 J2リーグ第22節(観衆1,301人/@味フィ西)
東京V 1-0 北九州
得点:(東)小池純輝

リベンジが一つのテーマでした

 開始23分のことだった。積極的なプレスで首位チーム相手に主導権を握りつつあった東京ヴェルディにゴールが生まれた。

 自陣左サイドのスローインからGKマテウスを経由して右サイド前方へとボールが送られた。若狭大志、山本理仁、山下諒也、再び山本とつながり、ピッチ中央やや右寄りの位置でサポートに入った藤田譲瑠チマに渡る。

 刹那、小池純輝は斜めに動いてボックス内に入り込み、パスを受ける体勢を整えた。

 藤田からグラウンダーの速いパスを受けると、小池は右足でトラップし、自身の左側にボールを置く。そして体を倒しつつ反転。背後にいた相手CB野口航が寄せるよりも早く右足でボールをとらえ、GK永井堅梧の届かぬ場所へと蹴り込んだ。

「一瞬空いたスペースに藤田選手がボールを付けてくれた。トラップして(足を)振るところまでは自分のイメージ通りでした。ある程度、決め打ちではないですが、必ず振ってやろうという部分でトラップがうまく決まったので、結果的に入って良かったです」

 密集を縫うをように縦パスを通した藤田の技術の高さ。そしてそのパスを一切の無駄なくシュートまで持っていった小池の技術とセンス。何より、機を逃さず実行した二人の選択が素晴らしかった。

 結局、このゴールは首位チームを破る決勝点になる。まさに値千金の一発だった。

「(シーズンの)前半戦で北九州にやられてしまっていたので(●1-2)、そのリベンジという意味と、勝てない時間が続く中で、良いタイミングで当たったのでないかと思っていました。みんなでリベンジをしようというのが、今日の一つのテーマでした」

 首位チームと対戦し、見事勝利を飾った。何より前回の対戦で主導権を握られ、チームの持ち味を出せなかった相手に雪辱したことが大きい。

「積み上げてきたもの、自分たちがやっているサッカーを証明したいと思っているので、そのためにはやっぱり勝利が必要でした。その意味で勝ってリベンジできたことは、後半戦のスタートでもあるので、すごく良かったと思います」

 22節を終えて8位となった東京VとJ1昇格圏の2位につける北九州の勝ち点差は、13ポイント。その差はまだまだ大きい。ただし、残り20試合で全く追い付けないと絶望する差でもない。

 この試合で東京Vが示したかったのはチームの特長であり、上昇への強い意欲だろう。思いの詰まった小池のゴールから東京Vのシーズン後半戦が始まった。

取材◎佐藤 景


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