ジェフユナイテッド千葉の尹晶煥監督がFC琉球戦を前にオンラインで取材に応じた。思うように勝ち点を積み上げられず、苦しい戦いを強いられた前半戦を経て、指揮官はいかに後半戦に臨むのか。いま足りないのは「必死さ」だという。

上写真=琉球戦にむけて選手を指導する尹晶煥監督(写真◎JEF UNITED)

考えなければ、波は無くならない

 シーズン後半戦最初の試合。文字通りのリスタートとなるゲームは、開幕戦と同じ琉球が相手。前回は1-0で勝利を収めている。尹監督は言う。

「ちょうど半分が終わって、いい結果には達していないですけど、後半初めの試合なんで、気持ちを切り替えて戦うしかない。アウェーなんですけど、勝ち点1でも取って来れるように、集中して頑張りたい」

 流れを変える試合にしたいところだろう。前節のレノファ山口に敗れ、21試合終了時点で14位と低迷する。昇格候補の一つにも挙げられていたチームとしては悔しい結果に違いない。敗戦の数は11。半分以上の試合で敗れたことになる。

 いい試合をしたかと思えば翌節のゲームであっさり敗れたり、とにかく成績が安定しなかった。波のある戦いぶりについて、指揮官は言及した。

「一番大きな問題は、選手一人ひとりの感情、試合に対する気持ちの面。一人ひとり違うので何とも言えないところもありますが、プロらしく、強い気持ちを持って戦わないといけないし、自分たちの仕事はグラウンドで走ることのはず。それを見せるために、1日一度、どうすべきか考えなくてはならないし、そこからは始めなければいけない。練習にどういう気持ちで入るのか、そしてその練習でやったことをどうやって試合で使うのか。常に頭を使って考えなければいけない。試合に出ても出なくても、サブでもメンバー外でも、常に目的意識を持って考えないと、波は無くならない」

 メンタル面の不安定さや弱さが、試合に如実に表れてしまったという。

「コロナの影響が大きいシーズンですが、うちの選手はその影響の問題ではなく、相手がちょっと強く来たら、逃げるようなプレーが見られる。精神力と戦う気持ちという大事な部分が、強くならないといけない。いつも同じ相手と戦っているわけではないので、自分で考えて分析をして戦っていかないと。チームとしてやるべきことはもちろんあります。ただ、自分で考えた上でチームとしてどういうふうに戦うかを考えられなければ、波は無くならないと思います」

 指揮官が指摘する精神面の脆さについては選手たちも自覚している。失点後に意気消沈してしまう傾向は多くの選手が指摘する部分だ。尹監督はこれまでも意識改革を促してきたが、ここまでのところ、その仕事はうまくいっているとは言い難い。プレー面にも、メンタルの「弱さ」が出ているという。前節の失点場面について。

「点を取られたシーンを見ていたら、自陣のエリアでプレーが軽かった。もっとボールに対して強くいかないといけなかった。そういうところを選手たちがもっと気付かないといけない。そこが失点につながっている。試合の翌日にはそういう話をしました。修正しなければいけないし、これからもっと自陣のことで、もっとボールに対して強くいかないといけない」

 球際の激しさ、アプローチの速さ、切り替えの早さ、そして走力。ベーシックな部分で相手を上回るチームを求めながら、なかなかそれが実現できないでいる。要因の一つとして指揮官はJ1とJ2の戦い方の違いにアジャストできないことも挙げた。

「J2の戦いはJ1とは違います。技術は少し足りなくても、フィジカル面の強さや勝ちたいと思う必死さ、走りの力のところが違う。そういうところをJ1から来た選手はあまり経験していないので、そこが他の選手にも移ってしまうことがある。それでチームが緩くなる部分もあるかもしれない。(佐藤)寿人らベテランの選手たちも頑張ってくれていますが、もっとそういう部分を見せてくれると若い選手たちも学んでいくと思う。今はそこをやっているんですけど、慣れていない選手が多いので、なかなか波に乗れないところはあります」

 とりわけ今季は連戦続きで、どのチームもベストコンディションで戦える状況にない。そこでいつも以上に重要になるのが、必死さや勝ちたいという意欲だという。そこがまだまだ千葉には足りていない。

「週1回の試合だったら元気な体で戦えると思いますけど、いま中3日で3試合目でフィジカル面で疲れはあると思う。琉球は調子がいいので、どれくらい試合にうまく入れるか、そこが大きいと思います。相手は攻撃サッカー、パスサッカーをしてくるチームなので、いまうちが守備もなかなかできていないのでそこをどれくらい修正できて、先に点をとって守れるか」

 チームが同じ方向を目指し、必死に戦う。後半戦はその姿勢を毎試合見せたいと尹監督は言う。そうすれば、前半戦とは異なる結果を出せるとも。まずは仕切り直しの琉球戦で、気持ちの入った、全身全霊の戦いを見せる。


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