上写真＝激しい競り合いが随所に見られたゲーム。新潟が徐々に押し込んでいった（写真◎J.LEAGUE）
■2020年9月9日 J2リーグ第18節（@フクアリ:観衆2,030人）
千葉 1-3 新潟
得点：（千）クレーベ
（新）渡邉新太、本間至恩2
「プロらしく戦わなければ」
90分を一言で言えば、「相手がプレスをかけてきたが、しっかりいなしてボールとともに試合を支配して決定的なチャンスを作れた」というアルビレックス新潟のアルベルト監督の総括がすべてだろう。技術とコンビネーションでジェフユナイテッド千葉のパワーを無力化して、新潟が3-1の完勝を収めた。
攻撃の起点になるサイドバックつぶし。千葉のプランはそう見えた。新潟の右サイドバック、新井直人と左サイドバックの荻原拓也にボールが入ると、サイドハーフの船山貴之と堀米勇輝がちゅうちょなく足元に飛び込んでいく。
攻めても2分にクレーベ、11分に堀米がゴールに迫る好リズム。14分には山下敬大が抜け出してGK小島享介と1対1のビッグチャンスを迎えたが、左足のシュートは小島に防がれた。
主役が入れ替わるのはこのあたりから。千葉のサイドのプレッシャーが緩み、新潟はボールを中央に集めておいてからサイドに散らして、サイドバックがフリーで受けられるようになる。これで完全にリズムをつかむと23分、中盤でのセカンドボールの奪い合いから福田晃斗がボールをつつき、本間至恩が中央右からドリブルで仕掛けて中央へ横パス、受けた渡邉新太がGK新井章太の頭上を巧みに抜くシュートを放つと、ボールはバーをなめるようにしてゴールに吸い込まれた。
もちろん千葉も黙ってはいない。後半に入ると一気にギアを上げて、前半のような緩みを消してハードにボールにアタックしに行く。しかし、それが続いたのも、53分に新潟が追加点を奪うまでだった。
左サイドで荻原が本間を前に送り出すように縦に渡すとドリブル開始、左に走った渡邉に預けておいて中央でもう一度もらった本間が、ボール1つ分だけ右にずらしてすぐさまゴールにパスを送るような右足シュートを放った。80分にも右サイドの田上大地のセンタリングが相手に当たってこぼれ、またもや本間が右足で正確に流し込んだ。
千葉は90＋2分にクレーベがヘッドで流し込んでせめてもの意地を見せたが、そこまで。尹晶煥監督は「まずは本当にがっかりした試合を見せて申し訳ない気持ちです」「選手個人個人がプロらしく戦わなければいけないのに、それが見えなかった」とうなだれた。
現地取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE
