8月29日、明治安田生命J2リーグ第15節が開催された。味の素スタジアムでは東京ヴェルディと京都サンガF.C.が対戦。ホームの東京Vは前節の敗戦を引きずることなく、持ち味を存分に出して2—0で京都に快勝した。

上写真=先制点を挙げた東京Vの小池純輝を仲間が祝福(写真◎J.LEAGUE)

■2020年8月29日 J2リーグ第15節(観衆2,432人/@味スタ)
東京V 2-0 京都
得点:(東)小池純輝、山本理仁

・東京Vメンバー◎GKマテウス、DF奈良輪雄太(30分:若狭大志)、近藤直也、平智広、福村貴幸、MF山本理仁(80分:佐藤優平)、藤田譲瑠チマ、森田晃樹、井上潮音、FW小池純輝(80分:クレビーニョ)、大久保嘉人(60分:山下諒也)

・京都メンバー◎GK若原智哉、DF森脇良太(76分:本多勇喜)、ヨルディ・バイス、安藤淳、飯田貴敬、MF福岡慎平(46分:野田隆之介)、庄司悦大、荒木大吾(54分:石櫃洋祐)、中野克哉(67分:谷内田哲平)、曽根田穣(67分:金久保順)、FWピーター・ウタカ

改めて素晴らしい選手たちだなと(永井監督)

 東京Vの先制点はセットプレーからだった。20分、右サイドで得たFKの場面。キッカーを務めた福村が左足でゴールに向かうインスイングのボールを入れると、飛び込んだ小池が左足を合わせ、ネットを揺らした。

 東京Vの看板は言うまでもなくパスワークだ。抜群の立ち位置でボールを巧みに動かし、相手の守備網を突破していく。そのパスワークを京都も十分に警戒していたが、東京Vはセットプレーから先制点をスコアしてみせた。

 別の顔を見せて先手を取った永井ヴェルディは、その本懐も遂げる。2点目を記録したのは45+3分。幅を使い、パスをつなぎ、そしてネットを揺らした。

 アンカーの藤田が、右サイドに開いた小池の前方、相手ウイングバック荒木の背後に正確なミドルパスを送ると、小池はググっと体を入れつつ荒木を抑えてボールを収めた。そしてボックス内にサポートにきた山本へ優しくパスを出す。ゴールやや右でボールを受け取った山本は間髪入れずにカーブをかけたシュートを放ち、見事にサイドネットを射抜いた。それはチームの狙いが結実した快心のゴールだった。

 前半で2点をリードした東京Vは後半に入ると3点目を狙いつつ、守備の集中力も維持。とくに攻撃から守備に切り替わった瞬間には、激しくプレスをかけ、京都の反攻を許さなかった。結果、スコアはそのまま動かず、2ー0で終了。指揮官も納得の90分になった。

「5連戦のスタートは、選手たちの素晴らしいパフォーマンスと仕事ぶりで、幸先の良い勝利となりました。改めてですが、本当に素晴らしい選手たちだなと強く感じます。京都さんをしっかり分析した中で、われわれが進入する場所、崩していく選手、どこから刺していくかなど、短い(準備)期間だったんですが、トレーニングの中で落としたことを、選手たちがプラン通りやってくれた。そのことを大変うれしく思いますし、素晴らしい試合だったなと思います」

 前節、ギラヴァンツ北九州に持ち味を出し切ることなく敗れたが、この日は勝ち点1差で東京Vの一つ上の7位にいる京都にほぼ何もさせず、自らの特長を存分に出して勝ち切った。順位を逆転し、狙い通りに上位進出への扉を開いた格好だ。立ち位置、ボールの動かし方、スペースの作り方、フリー選手の生み出し方、そしてボックスへの進入方法。東京Vの選手たちはそれらをしっかり共有し、ピッチで表現してみせた。敗戦を引きずることなく、快勝した意味は大きい。

 今夏2度目の5連戦、その1戦目。東京Vは、最高のスタートを切った。

現地取材◎佐藤 景 写真◎J.LEAGUE


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