前節、Jリーグデビューを飾った東京ヴェルディの若きMF、松橋優安がギラヴァンツ北九州戦を前にオンライン取材に応じた。手応えと課題を感じたデビュー戦を踏まえ、さらなる成長とチームへの貢献を誓う。指揮官も期待を寄せるMFが思う自身の未来像とは?

上写真=デビュー戦のピッチに登場した松橋優安(写真◎J.LEAGUE)

開始5分でスタンドを沸かす

 デビュー戦は途中出場ではなく、先発だった。ホームで開催された第13節の松本山雅FC戦で、Jリーグの舞台に初めて立った。本人も驚きだったという。

「正直、驚きがあって。同時にそのチャンスをつかみ取ろうという思いでした。緊張はあったんですけど、先輩方が声をかけてくれたので。(小池)純輝くんが『楽しめよ』と言ってくれて、気持ちが楽になりました」

 2列目の左でプロのピッチに立った松橋は、いきなり才能を示した。開始5分、藤田譲瑠チマが自陣で相手の縦パスをカット。そこから井上潮音、森田晃樹とつながったボールを疾走しながら受けると、そのままドリブルでボックス内に進入。目の前には2人の守備者がいたが、その間を抜くようにシュートを放った。ボールは右のポストをかすめて、惜しくもゴールインとはならなかったが、スタンドを大きくどよめかせている。その才能を示す、プレーだった。

「パスをもらった場面ではシュートに行こうとは決めていなかったんですが、自分の形に持っていってシュートで終われれば。自分の流れに持っていけるかなと。そこでコースが見えたので。でも入らなかった。打ったあと、入るかなと思ったんですけど、曲げがたりなかったですね」
 本人は事も無げに振り返るが、このシュートの場面やドリブルでインパクトを残した。

「スピードに乗ったドリブルや、背後はなかなか取れなかったですけど、取れそうな部分もあったので、そこは通用すると感じました。課題は、90分間戦う体力をつけないと、フィジカル面はまだまだ足りないと思いました」

 通用する部分をしっかり認識すると同時に、まだまだ足りない部分があることも知った。その意味でも55分間のプレーは大きかった。ベンチで見るのと、ピッチに立つのではやはり違う。すでに次節、北九州戦への意欲も示した。

「(相手は)連勝中なのですごく勢いはあると感じますし、切り替えがすごく早いので、そこの切り替えの部分を自分たちのサッカーではがしていければ、全然通用しない相手ではないなと思います」

 今のヴェルディは多くの若手がチャンスを得ている。若い選手の台頭はチームを刺激し、ひいては総合力を底上げしていく。松橋もその役割を担う一人だが、もちろん、それだけに留まるつもりはないだろう。勝利に貢献し、常に中心としてプレーするのが目標であるはずだからだ。

「やっとスタート地点に立てたという感じなので、ここからチームに貢献することができたらなと思います」

 スタートリストに自らの名前は刻んだ。次はスコアシートにその名を刻みたいところ。プロの舞台で始まった松橋優安の物語。序章の段階で派手な展開が訪れても、もはや誰も驚かないだろう。それだけの才を、この18歳は持っている。


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