2019年の最終節で左アキレス腱断裂という大ケガに見舞われた本多勇喜。ついに7月にピッチに帰ってきた。長期間の離脱を経て復帰し、すでに2試合でフル出場。完全復活に必要なのは、チームのアウェー戦の勝利だろう。

上写真=大ケガから復帰した本多。その経験がまた彼を強くした(写真◎KYOTO.P.S.)

苦手を払拭するために声を出す

 長く厳しい季節を乗り越えて、本多勇喜がまたピッチに戻ってきた。

 照れ屋な性分なのか、言葉は多くはないものの、それだけに実感に重みがある。「徐々に90分間プレーできる体になりつつあります」「プレーに関してはやれるところとやれないところがまだあるんですけど、やれることが多くなってきたので、90分を通して集中してできると思います」

 最初から最後までピッチの上でプレーする、ということの価値の素晴らしさに改めて気づかせてくれる存在だ。

 2019年11月4日のJ2第39節ヴァンフォーレ甲府戦で膝を痛めて23分で交代、24日の42節柏レイソル戦で復帰したものの、今度は14分でピッチを去っている。左アキレス腱断裂という大ケガだった。それからおよそ8カ月。手術の後、リハビリを続けて、ついに7月11日の4節アビスパ福岡戦で84分に交代で入って公式戦で久々の芝生の感触を確かめると、そこから5節ギラヴァンツ北九州戦で65分、6節愛媛FC戦で84分と時間を伸ばし、ついに7月25日の7節V・ファーレン長崎戦でフル出場を果たしたのだ。8月2日の9節FC町田ゼルビア戦でも続けて90分プレーして、いよいよ完全復活の夏を迎える。

 ここからJ2は5連戦だ。京都サンガFCはまずはモンテディオ山形とのアウェーゲームを迎える。実は今季はアウェーゲームの戦績が良くなく、3分け2敗。この負の連鎖をこのあたりで断ち切りたいところである。

「プレッシャーが早いと思うので、僕たち(守備陣)でしっかりそこを剥がして、いいボールを前につけられるようにしたいと思っています。あとは、相手はクロスが多いという分析もあるので、その対応をしっかりしたい。後ろ(守備陣)が前(攻撃陣)の起点になれるようにボールを奪いたいと思います」

「アウェーだと立ち上がりで動きが重いというのは少し感じているので、しっかりみんなで声をかけて、やっぱり苦手だなという感じを払拭していければアウェーの試合でもポジティブにできますし、後ろからの声は大事なので、前の選手を声で動かしていければ前の選手もやりやすいと思います」

 そして、アウェー勝利のポイントをずばりと口にするのだ。

「一人ひとりが相手の選手に負けないことですし、失点してはいけないし、先制点がとても重要だと思います」

 負傷、手術、リハビリ、復帰という、いわば輪廻のサイクルを経て、立ち返ったのは原点。まずは山形の地で、それを証明してみせる。


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