モンテディオ山形の半田陸は、J2リーグ第7節、東京ヴェルディ戦に後半途中から出場。20分間のプレーでは大きなインパクトを残せなかった。将来を嘱望されるDFは試合後、自身の現状と見据える未来について語った。

上写真=後半、70分から出場した山形の半田陸(写真◎J.LEAGUE)

来年のU-20W杯出場が期待される逸材

 出場したのは、70分から。しかもポジションは2シャドーの一角。登録はDF、とりわけサイドバックのイメージが強い半田にして珍しい起用と映った。本人が監督に伝えられた役割を明かす。

「練習では何度かやっているので、少しは慣れはありました。(石丸)監督から東京ヴェルディが左サイドに人をかけてきているので、ビルドアップを阻止して奪い切って、そこから出て行くことを求められました」

 3-4-2-1のシャドーは守備の際に相手のサイドバックを見張るのが基本。この日で言えば、左サイドバックの奈良輪雄太をマークする役割だ。東京Vの左サイドは、この奈良輪と左ウイングの小池純輝(58分までは井上潮音)、左インサイドMFの井出遥也が自由にポジションチェンジを繰り返す。山形は前半からその動きに手を焼いていた。石丸監督には、そのローテーションアタックを分断し、逆にボール奪取から攻めに転じる狙いがったのだろう。そこで、ボール奪取能力の戦い半田の出番となった。

 しかし、何度かボールにアタックしたものの、いい形は作れなかった。役割を全うしたが、期待通りの成果を出せたかというと、そうではない。本人の自己評価も辛かった。

「守備では、1回くらいしかボールを奪えなかったですし、自分の戻りが遅くて間を何回を通されることがあった。守備はもっとタイミングだったり、戻るスピードを速くしないといけない。攻撃でも前に出て行くことがだけになっていたので、もっと間で(パスを)受けて、(ボールを)つけて出て行くことをしなければいけないと思いました」

 半田は将来を嘱望される選手だ。昨年、ブラジルで開催されたU-17ワールドカップではキャプテンを務め、サイドバックとしてチームのグループステージ突破に大きく貢献。ケガで不在だったラウンド16のメキシコ戦でチームは敗れたが、図らずも不在の在を示すことにもなった。先日、行なわれたU-19代表合宿にも参加。この世代を代表する選手であり、日本の将来を背負って立つ存在として期待されている。

 だが今季、ここまでは所属する山形で出場機会を得られていなかった。

「今年、なかなか出られてなかった中で、練習でもコンディションを上げることをやってきましたし、きょうは短い時間ではあったんですけど、これからもっと時間を積んでいけるようにしていきたいと思います」

 練習ではシャドーに加え、ウイングバック、ボランチでもプレーしているという。利便性の高さがうかがえるが、本人が最も得意とするのはウイングバック。

「自分ではワイドが一番やりやすいです。これから連戦が続く中で、いま出ている選手たちも少しずつ疲労がたまっていく。1試合走れる体力をつけることが大事」

 10月に来年開催されるUー20ワールドカップ出場をかけてAFC U-19選手権ウズベキスタン2020が控える。まずは所属クラブで出場機会を増やし、存在感を示したいところ。山形からアジア、そして世界へ。半田陸の前には、輝く場所へと続く太い道がある。あとは、その道をどんな速度で進んでいくか、だ。

現地取材◎佐藤 景 写真◎J.LEAGUE


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