7月25日、明治安田生命J2リーグ第7節が開催され、東京ヴェルディはホームにモンテディオ山形を迎えた。序盤から圧倒的にボールを支配したものの、山形の粘り強い守備にゴールをこじ開けられず。勝ち点1を分け合った。

上写真=東京Vの佐藤に山形の渡邊がチェックに向かう(写真◎J.LEAGUE)

■2020年7月25日 J2リーグ第7節(@味スタ/観衆2,072人)
東京V 0-0 山形

・東京Vメンバー◎GKマテウス、DF若狭大志、高橋祥平、平智広、奈良輪雄太、MF藤田譲瑠チマ(87分:山本理仁)、佐藤優平(87分:森田晃樹)、井出遥也(74分:山下諒也)、藤本寛也、FW端戸仁、井上潮音(58分:小池純輝)

・山形メンバー◎GK櫛引政敏、DF熊本雄太、栗山直樹、松本怜大、MF山田拓巳、中村駿、本田拓也(83分:南秀仁)、小野田将人(46分:加藤大樹)、FW渡邊凌磨(70分:半田陸)、山岸祐也(88分:末吉塁)、大槻周平(70分:ヴィニシウス・アラウージョ)

アウェーで勝ち点1は最低限の結果(石丸監督)

 山形にとっては、狙い通りだった。3-4-2-1のフォーメーションは守備時に瞬時に5-4-1に変形。相手が使うスペースを埋めて、東京V自慢のパスワークを分断した。ある程度、ボールは持たせても最後の仕事はやらせない。山形の割り切った戦いぶりは前半45分のスコアレスを実現し、後半に入っても継続された。

「初めは相手の左サイド、こちらの右サイドで人数のかみ合わせが悪く、人を捕まえるのにかなり苦労して自分たちで難しくしました。ですが、その中でも粘り強くやったのは良かった点。最後のほうでは交代をうまく利用しながらもう少し点を取る作業をしたかったですが、アウェーで勝ち点1というのは最低限の結果かなと」

 山形の石丸清隆監督は、そう振り返った。ボールを持たれるのは想定内。持たれ過ぎのきらいもあったが、右サイド(相手の左サイド)が数的不利に陥っていると判断し以降、ゲーム中にうまくバランスを修正して対応。結局、最後まで築いた砦を破られることはなかった。しかも終盤には南がゴール正面で決定機を迎えるなど、90分の中では少ないながらもゴールチャンスを創出した。

 一方の東京Vにとっても、守られるのは想定内だったが、ここまで崩せないというのは予想外だったかもしれない。井上、奈良輪、井出が左サイドでポジションを替え、相手に的を絞らせずに前半から攻め込んだものの、山形の人垣を崩し切るには至らなかった。

「ホームで非常に悔しい試合だったというのが正直な感想です。ある程度、守りを固められることは想定していて、その崩しというのは時間をかけて準備してきたつもりですが、自分の反省も踏まえてスクエアゾーンから最後のフィニッシュゾーンの方法論について、別のプランの切り替えをもう少し早くやれなかったかなと感じています」

 ボール支配率では圧倒。この試合でも70%近くボールを持ち続けた。ただし、山形が割り切って守っていたことを考えれば、持たされた感も否めない。永井監督が悔しさをにじませたのも無理はない。対策されることを想定し、その対策を上回る策を講じたが、あと一歩が足りなかった。

 等しく勝ち点1を分け合ったゲームだが、アウェーに乗り込み、想定通りのゲーム運びを実現したという点で、山形が手にした1ポイントのほうが重たかったか。

 次節、山形は中3日で千葉と、東京Vは中3日で新潟と、それぞれホームで対戦する。

現地取材◎佐藤 景 写真◎J.LEAGUE


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