これからの連戦では若手の躍動が不可欠だが、ジェフユナイテッド千葉では見木友哉が出場機会を得ている。攻撃に自信を持つボランチは、厳しい守備の哲学を持つ尹晶煥監督から極意を学びながら大きく成長しようとしている。

上写真=見木は昨年も特別指定選手でJ2を経験。千葉の未来を担う(写真◎ジェフユナイテッド千葉)

連戦はチャンス

 いよいよ連戦が始まる。まずは、第4節から中3日の3連戦。ここで存在価値を証明しようとしているのが、ルーキーの見木友哉である。特別指定選手として登録された2019年にJ2で9試合1ゴール。何も知らないまっさらな「1年生」ではない。

「ベテランも多いですし、連戦はチャンスになるととらえています」。若さを全面に押し出して一気にボランチのポジションをつかもうと意欲は高い。

 再開後から2試合続けて出場機会を得ている。第3節の水戸ホーリーホック戦とその次の栃木SC戦だ。前者は2-0のスコアの87分に登場し、逃げ切るための「クローザー」役が期待された。栃木戦で登場したのは逆に0-1の68分。残り20分強で同点、さらに逆転を狙うチームにパワーを加えていった。異なる役割を託される信頼は、すでに尹晶煥監督から得ているようだ。

「自分の良さは攻撃でゴールに関わるところです。ボランチは攻撃に出る数が限られるけれど、参加したときに特徴を出せるかどうか。ゴールやアシストに絡んでいければなと思っています」という自己分析。さらにいえば「練習試合でもミドルシュートで点を決めていて、自主練習でもやっています。試合で結果を出せればと思っています」と、遠目からでも狙う意欲は強い。

 ただ、尹監督からまず叩き込まれるのは守備のことだという。「ポジショニングの部分はだいぶ言われています。ユンさんの指示と、もう一人のボランチとのコミュニケーションで注意したい」と個人的なディフェンスレベルの向上を意識している。もちろん、チームとしての守備についても同じこと。「ボランチから前線の2人にどうプレッシャーに行くのかコーチングするように言われていますし、センターバックの指示を聞き取りながらFWの2枚にどう伝えて生かせるかも大事です」と、今年の千葉の代名詞でもある組織的ディフェンスの要になるべく、成長中なのだ。

 次節のツエーゲン金沢戦の出番に備えて、相手の特徴を頭に叩き込むこともボランチとして重要になる。

「外国人FW(ルカオ)はキープ力があります。そこを抑えるのが一番大事かなと思います」

「まずは守備から入ることが多いので、その外国人FWに仕事をさせないのが一番のポイントだし、相手はボールサイドに寄るというスカウティングがあります。だから、逆サイドに展開できればチャンスはあるかな」

 まずはルカオを抑え込みつつ、得意の攻撃の部分で薄いスペースにサイドチェンジのパスを差し込んでチームに貢献していく。7月15日、金沢の夜にこのルーキーが輝くかもしれない。


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