ザスパクサツ群馬に移籍してきたのは、2月27日の開幕戦のあと、リーグの中断中の3月13日のことだった。だから、6月27日の再開初戦は林陵平にとっては「開幕」だ。絶好調で迎える点取り屋の胸の内が明かされる。

強い相手にいいゲームができた

「練習試合のすべてで、ゴールを決めているんです」

 林陵平の声が弾む。J2リーグ再開を3日後に控えた6月24日の午後。オンライン取材の画面越しにも絶好調ぶりが伝わってくる。

 3月13日に東京ヴェルディからの期限付き移籍が発表されて、早3か月半。長い自粛生活を経て、ようやく「群馬の林」としての「開幕ゲーム」を迎えようとしている。

 群馬の環境にもすぐに慣れたようで、チームをリードする意欲にあふれている。「練習や練習試合を含めて、チーム全体としてコミュニケーションが取れて、やるべきことを理解してきている感じがします。強度の部分では実際に再開してみないと分からない部分もありますが、練習試合では強い相手にいいゲームができたし、全体的にコンディションも上がってきた。僕自身は全試合で点も取っていますし」とよどみない。

 そのゴールラッシュの詳細は言えないとしながらも、「お気に入り」の一発を聞いてみると、こんな答えが返ってきた。「クロスをヘッドというのがありましたね。打点の高いヘディングゴールです。FWは練習試合であってもやっぱり点を取ることによって自信が増えます。リーグ再開後もゴールを決め続けたいですね」。自信と意欲にあふれた表情が印象的だ。

 と言いながら、ユーモアもたっぷり。ゴール後の喜びについて聞かれると「セレブレーションするときにはみんな、僕に近寄ってこないので大丈夫です(笑)。僕自身も楽しみにしています」「無観客だからカメラを探すというよりは、僕はいつもカメラの場所をチェックしていてイメージしているので変わらないです」と笑わせてみせる。

試合の流れを読む男

 開幕後に・期限付き移籍してきた・ベテラン。その役割はよく理解している。

「FWなのでゴールを取る部分もそうですし、若い選手も多い中で試合の流れが大きく左右する部分で自分がそれを読んで、コミュニケーションを取ることはすごく大事だと思っています」

 だからこそ、目標について聞かれても、チームに関することしか口にしない。「チームとしては奥野監督が掲げているチームの目標を達成していくことです。個人的にはいつも目標は立てていますけど、自分の中でとどめておきます」。自分よりチーム。当たり前のことだが、本当に実行できる人は少ない。

 それを、6月27日から全力でやり抜く覚悟ができている。


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