2月23日のツエーゲン金沢とのJ2リーグ開幕戦で、Jリーグデビューを果たしたファジアーノ岡山FW松木駿之介。負傷に泣いたプロ1年目の苦闘を乗り越えて最初の一歩を踏み出し、次は先発を目指して練習に励む。

上写真=プロ2年目でJデビューを果たした松木。練習でもアグレッシブなプレーを見せている(写真◎石倉利英)

リハビリの日々だったプロ1年目

 2月23日のJ2リーグ開幕戦。ホームのシティライトスタジアムにツエーゲン金沢を迎え、控えメンバーに名を連ねたファジアーノ岡山FW松木駿之介は、早く出場したい気持ちを抑えられなかったという。

「やってやろう、という強い気持ちでした。ウォーミングアップのときから体がすごく軽くて。まだ0-0だったので『今日は俺の日にしてやる』と思っていました」

 岡山は80分に先制して1-0とリードし、82分に松木の出番が訪れた。これが記念すべきJリーグデビュー戦。ところが、いきなり大暴れとはいかなかった。

「ピッチに入ると、急に体に重りがついて…。緊張はしていなかったんです。平常心で入ったんですけど、体だけついてこなくて『何だ、これは』という感じでした」

 思い通りにはプレーできなかったものの、チームは1-0で勝利。松木にとっては様々な意味で記憶に残る一戦となった。

 青森山田高(青森)から慶應大を経て2018年3月、19年シーズンからの新加入が決定したが、プロ1年目はケガに泣かされた。18年12月に右膝の半月板を損傷し、19年6月には左膝の後十字靭帯を損傷。公式戦出場ゼロでリハビリの日々を過ごし、「去年はずっとスタンドの上から試合を見ていました。もちろん一緒に戦う気持ちでしたが、人ごととは言わないまでも、どうしても外から見ている感覚があった」と振り返る。

 だが負傷が癒えた今季は開幕戦でメンバー入りし、デビューも果たした。「今年はチームの力になるという感覚を持つことができています。エラーが出ても自分の成長につながると思うので、毎日の練習から楽しくサッカーができている」と語るように、表情には充実感があふれている。

 2月26日の練習では、金沢戦の先発メンバーに交じって実戦形式のメニューに臨む時間もあり、チームメイトや有馬賢二監督の指示を受けながら懸命にプレーした。3月15日開催予定分までのJリーグ全公式戦の延期が決まったが、「この期間を個人的にも、チームとしても、プラスに変えていきたい。どのクラブもそうですが、与えられた時間の中で、どれだけ積み上げることができるか。岡山は他のクラブよりも積み上げなければいけない」と、自身とチームの成長を誓う。

 3月中旬の再開を見据え、「あらためて開幕する気持ちで、そこに合わせてスタメンを狙っていきたい」と意気込む。持ち味を「サイドでの仕掛け」と語るアタッカーは、プロとしての最初の一歩から、次のステップを目指す。

文◎石倉利英 写真◎石倉利英


This article is a sponsored article by
''.