2次キャンプ中の東京ヴェルディは2月3日、沖縄県中頭郡中城村の吉の浦公園ごさまる陸上競技場で川崎フロンターレと練習試合を行ない、1-9と大敗。チームづくりはまだ道半ばだが、新エースの大久保嘉人は前向きだった。

上写真=キャンプでも積極的に声を出し、チームを引っ張る東京Vの大久保嘉人(写真◎杉園昌之)

この時期はミスが出てもいい

 今季、ジュビロ磐田から完全移籍で加入した大久保嘉人は、45分3本で組まれた練習試合の1本目に出場。キャプテンマークを巻き、チームの先頭に立って、声を張り上げた。ただパスを要求するだけではなく、若い選手たちに助言しながら、プレーしていた。

 国見高校の大先輩でもある永井秀樹監督からは、ピッチ内での"指導役"も託されているという。

「この時期はミスが出てもいい。やろうとしていることができれば、素晴らしいチームになると思う。やり続けていくことが大事。いまは楽しみしかない。いいところはあるから。まだ完成度は高くないですけどね」

 格上の川崎Fに押し込まれる時間帯は長かったものの、テンポよくボールを動かすこともあった。ただ、仕掛けのパス精度はいまひとつ。連係面のミスが目立ち、攻撃の形は思うようにつくれなかった。

「自分たちからミスしている。取られるな、というところにパスを出しているから」

 川崎F時代に徹底してパスサッカーを仕込まれたエースの言葉は重い。それでも、悲観はしていない。むしろ、伸びしろのあるゲームメーカーには大きな期待を寄せていた。

「ジョエル(藤田譲瑠チマ)が肝なんで。あいつがチームを動かさないと。育てていきたい」

 J1の歴代最多得点者が認める逸材は、2002年生まれの17歳。経験豊富な先輩に鍛えられ、キャンプでめきめきと成長している。藤田-大久保のホットラインが開通したとき、東京Vは怖い存在になりそうだ。

取材◎杉園昌之


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