【東京V】永井秀樹監督「目標は一つ。早くJ1に戻り、王者に戻る」

上写真＝10人の新戦力と永井監督（写真◎BBM）

教え子に『ヴェルディの未来を作れ！』

　羽生英之代表取締役社長は、クラブ創設51年目の2020年を次の50年に踏み出す年ととらえて、様々なチャレンジを行なうと宣言した。クラブのビジョンとして掲げるのは『世界一の総合クラブになること』、そして『世界で輝く人材を育成すること』。スポーツではサッカーのほか、女子ホッケーやバレーボール、柔道、ゴルフなどすでに様々なスポーツに携わっているが、同じ哲学の下でブランド力を高め、人材育成に力を注いで東京から世界へ『ヴェルディ』を発信していくという。

　その中でも大きな柱として存在なるのは、変わらずサッカーになる。女子チームの日テレ・ベレーザも2021年のプロ化を前に、日テレ・東京ヴェルディベレーザに改称（エンブレムも変更）。東京の、ヴェルディの、女子サッカーチームであることが強く打ち出されることになった。

　そして男子は、日本におけるクラブチームのパイオニアとして、トップリーグ復帰を目指す。昨季終盤は盛り返したが、J1昇格はならなかった。今季にかける思いは強い。

　この日の新体制発表には、10人の選手が登壇。昨季途中に就任した永井秀樹監督もシーズンのスタートから力を注げることに期待感を示し、意欲を見せる。

「今シーズンはスタートからやれるということで、自分自身も非常に楽しみですし、新しく加入してくれた選手たちも、非常に素晴らしい選手がそろってくれました。自分はユースの監督を2年半やりましたが、その教え子が今年で8名になりました。彼らに伝えてきたことは、ただ一つであります。ヴェルディの未来を必ず自分たちで作れ、ということです。その彼らがいよいよJリーグのピッチに立ちます。ヴェルディの新しい時代を作ってくれると自分は信じています。
　もちろん、選手たちにはいつも言っていますが、若い選手たちだけで勝てるほど、Jリーグは、J2はそんなに甘くないと分かっています。そういう中で、今年来てくれました、（大久保）嘉人はじめ、非常に経験のある選手たちにも大いに期待していますし、楽しみにしております」

　ユースから昇格したのは5名。阿野真拓、松橋優安、石浦大雅、馬場晴也、藤田譲瑠チマ。そして新しくヴェルディに加わった移籍組も大久保、髙橋祥平、井出遥也、福村貴幸、マテウスの5名。

　陣容に関しては永井監督が満足感を示す一方で、新任の江尻篤彦強化部長は「今現在の補強はベストな選手が来てくれていますけども、（移籍）ウインドーが閉まるまで、しっかり私自身がチームとほかのクラブの選手を見ながら、大学生も含めて見ていきたいと思います」と話し、今後キャンプを過ごす中で出てきた課題やケガ人などの状況を見ながら、さらに獲得する可能性があることを示唆した。

　昨シーズン終盤の戦いぶりに手応えを感じながらも、決定力が足りず、ボールは回れどネットは揺れずという状況も見られた永井ヴェルディ。今季は大久保というフィニッシャーを得て、林陵平も復帰。課題克服にしっかり着手している。

「昨日、2020年シーズン最初の試合を行ないました（2本：〇1-0国士舘大）。Jリーグの開幕の頃、最初の頃ですね、それを思い出すようで、練習試合に1500人以上の人が来てくれました。半分は大久保嘉人様のおかげなのかもしれませんが（笑）、残りの半分は間違いなく、昨シーズンの4カ月で選手たちが積み上げてきたサッカーがサポーター、ファンの皆様に期待を持たせる形を示した賜物だと思っています。今シーズンはその期待を裏切らないように、さらにワクワクさせることができるように、たくさんの感動を我々が届けられるように全力を尽くしていきたい。長いシーズンになりますが、目的は一つです。J1に早く戻り、チャンピオンに早く戻り、わがクラブが目指すところは世界だと思ってますので、そこまでいけるように自分自身も、選手たちとともに一枚岩になって全身全霊、努力していきたいと思っています。よろしくお願いします！」

　永井監督は自身が理想とするスタイルでJ1昇格を成し遂げると宣言した。新しい半世紀の始まりの年。壮大なビジョンの実現を目指して、まずはヴェルディブランドの核となる男子サッカーで、J1復帰を目指す。

新ユニフォームを着用したヴェルディとベレーザの選手たち（写真◎BBM）3