来季のJ2とJ3で、21歳以下の選手の出場を奨励するルールが導入される。基準時間を満たせば奨励金が支払われるというもので、若手選手の出場機会を増やすため、日本サッカー協会とJリーグが協議して決定した。

上写真=来季からの奨励ルールについて説明する関塚委員長と原副理事長(写真◎石倉利英)

J2は300万円、J3は200万円

 2020年のJ2とJ3で導入されることが決まった『Jリーグ U-21選手出場奨励ルール』とは、U-21年代の日本人選手の総出場時間の基準値を定め、それを超えたクラブに奨励金を支払うことで、当該選手のリーグ戦出場を促そうというもの。次代の日本サッカーを担う優秀な選手の輩出を目指し、日本サッカー協会とJリーグが議論を重ねた末に導入が決まった。

 具体的には、天皇杯、ルヴァンカップ、J1参入プレーオフを除くJ2とJ3のリーグ戦において、2020年12月31日時点で満21歳以下の日本人選手(※特別指定選手、2種登録選手を除く)が、J2は年間3780分以上、J3は3240分以上出場すれば、J2は1クラブ300万円、J3は200万円の奨励金が支払われる。基準値の目安は『90分×総試合数』で、21歳以下の選手が1人、全試合にフル出場すれば満たされることになるが、GKは出場時間を2倍で換算し、より強く出場機会を奨励する。代表招集やケガなどの特例措置はなく、FC東京、G大阪、C大阪のU-23チームは対象外となっている。

 日本サッカー協会(JFA)の関塚隆・技術委員長は報道陣への説明で、「2018年ロシア・ワールドカップ(W杯)を終えて、これからW杯でベスト8、ベスト4、そしてチャンピオンになるために何をすべきか、JFAとJリーグで話し合いをしてきました」とコメント。その上で「Jリーグの外国人枠緩和が一つのテーマとしてある一方、日本人の若手選手の育成のスピードアップを、どうすればいいか議論を重ねてきた。J1ではルヴァンカップで(『すべての試合において21歳以下の選手を1人以上、先発に含める』と)義務化しており、若手選手が伸びている。それを来季からJ2、J3でも奨励という形で取り組んでいくことになりました」と導入の理由を説明した。

 Jリーグの原博実・副理事長は、この奨励ルールを「1年くらいかけて議論してきた」とした上で、「ルヴァンカップで(21歳以下選手の1人以上の先発出場)義務化を決めたときも、いろいろな意見があったが、結果的に各クラブが平均2人くらいは21歳以下の選手を起用していて、そこからポジションを取る選手も出てきた。そこで義務化をJ2、J3でも入れられないかという議論になった」と経緯を説明。クラブによる事情の違いなどを踏まえて義務化には至らなかったが、奨励ルールという形に落ち着いた。

 さらに奨励金の額は、「(昇格ラインの)J2の3位の賞金が500万円、J3の2位が250万円で、それを上回って、勝敗よりも若手選手の起用でお金を稼ぐ形になるのはよくない。まずは、これくらいの額でやってみようということになった」(原副理事長)という経緯で決まった。なお奨励金はJFAとJリーグが半額ずつを負担するという。

 ちなみに、今回のルールを2019年のJ2に当てはめた場合に基準を満たすのは、出場時間が多い順に山口、東京V、金沢、徳島、福岡、柏の6クラブ。J3は(3つのU-23チームを除いて)相模原、鳥取、北九州、讃岐の4クラブとなっている。今回のルール導入によって来季、各クラブの若手選手起用にどんな変化が起こるのか注目される。

取材・写真◎石倉利英

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