上写真=小島亨介は新潟から柏に移籍して、初めての古巣戦に臨んだ(写真◎J.LEAGUE)
■2025年4月26日 J1第12節(観衆:13,030人@三協F柏)
柏 1-1 新潟
得点:(柏)渡井理己
(新)小見洋太
小見は「逆にそれで引き締まった」
柏レイソルの守護神、小島亨介にとって、アルビレックス新潟は大切なクラブだ。5シーズン所属して、プレーヤーとして大きな飛躍を遂げた。今季、ついに移籍を決断し、初めての古巣対戦を迎えた。
「楽しみにしていた一戦でした。ただ、特に自分の持ってるものを変えてうまくやろうとか、そういう風には思わず、いつも通り、いま自分の持っている力をしっかり出すという意気込みで試合に臨みました」
見せ場はいきなりやってきた。キックオフから押し込まれた勢いのまま与えた14分のPKの場面。キッカーは小見洋太だ。
細かいステップを執拗に繰り返しながらゆっくりゆっくりボールに向かう助走は、「練習でも何度か受けたことがあるので」と見慣れた光景だ。そこでどんな駆け引きがあったのか。
「本人の中では決め切るときはコースは決めてるって言ってたことがあって、ただ、左右に蹴り分ける練習もしていました」
チームメートだったときの会話がよぎった。
「だから自分としては、少し予備動作も入れつつ、そこを崩したかったんです」
小見のほうはというと、逆に自分の癖を見抜かれている不安もあった。しかも、「練習では2度外していて」緊張もあった。でも、「逆にそれで引き締まった」。
小見が選んだコースは向かって右上。小島は逆に跳んだ。今回は小見に軍配が上がった。
「あそこはもう、落ち着いてあのコースに決めたから、駆け引きとしては小見が勝ったと思います」
小島は潔く認めた。
「もちろん、ああいうシーンは難しいけれど、そこで止めることができれば流れも自分たちのほうに持ってこられたと思います。そういうところも含めてしっかり練習したい」
その後、鮮やかなコンビネーションから渡井理己が32分に同点ゴールを決めた。さらに攻めながらそれ以上の得点が生まれなかったのは悔やまれるが、小島も落ち着いて新潟の攻撃を弾き続けて、ドローで終えた。
「今日は自分たちのゲームの入り方がすごく良くなかったのが一番です。技術的なミスも多かったですし、もちろんチームとして集中して入ろうとしていたんですけど、なかなかリズムが作れずにかなり押し込まれてしまった。相手というよりは自分たちが良くなかったというところが印象的でした」
相手を上回る技術を追求するのは、新潟時代も、そしていまの柏でも同じこと。最後尾でキックの高い技術を見せ続けたレフティーGKの存在が、柏の魅力的なスタイルを支えている。