川崎フロンターレが悲願のアジア王者になるために、勝負の地であるサウジアラビアに旅立つ。その直前の4月20日、明治安田J1リーグ第11節東京ヴェルディ戦では0-0の引き分けに終わったが、キャプテンの脇坂泰斗が口にした反省の言葉から、その「強み」を探る。

上写真=キャプテンの脇坂泰斗がカップを掲げる姿を見ることはできるか(写真◎J.LEAGUE)

■2025年4月20日 J1第11節(観衆:21,870人@U等々力)
川崎F 0-0 東京V

足りない「厚み」

「がんばってきます!」

 0-0で引き分けた消化不良のゲームのあと、ミックスゾーンではノーゴールに終わったことで悩ましげなトーンで試合を振り返っていたが、去り際には気持ちをすぱっと切り替えるようにして、キャプテンの脇坂泰斗の声に張りが出た。仲間たちとともに、いよいよ悲願のアジア「青覇」に向かう。

 東京ヴェルディとのスコアレスドローは、7連戦のラストマッチ。「体力的な限界値は出せた」と疲労の中にも戦うパワーを込めることができた実感には胸を張った。ただ、リーグ最多の19ゴールを誇るからこそ、12試合で3度目の無得点には反省が尽きない。

「押し込んでサッカーをする時間は少なかった。前進できてチャンスにはなったけど、それを回収して2次攻撃をしたり、そういう厚みがちょっと足りなかった」

「もっとボールを落ち着かせる場所を選手みんなで共有することは大事だし、あとは単純な質のところと、どこから攻めるかということを中で合わせられるようにしたい」

「サイドに簡単にはたくんじゃなくて、中を見せて絞らせてサイドに出したほうがサイドの選手は時間ができて楽だと思う」

「自分もそうですけど、真ん中の選手はもっともっとシュートを打ちにいかないと怖くないと思いますし」

 それがそのまま、AFCチャンピオンズリーグエリートの準々決勝、アルサッド(カタール)戦へのポイントになるだろう。そして、パワーもスピードも戦術も国内のチームとは異なる相手だからこそ、このチームが代々積み上げてきた強みが生かされるのではないか。

「相手の狙いとか、体の向きやプレスの仕方で、どこにボール持っていけばいいかを個人でもチームでも判断できるようにできると、もっと楽に攻められるかなと思います」

 相手を見てサッカーをする、という「目」である。

 そのために、このキャプテンは「みんな、目の前の試合に向かっていく姿勢があるので、まずは自分のことに集中してやりたい」と平常心。高いレベルにある個人の集まりの中で、キャプテンだけが過度なプレッシャーに晒されないことも、このチームの強みだ。

 さあ、悲願のアジアの頂点へ。まずは日本時間で4月28日1時半、準々決勝でアルサッドを倒す。


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