上写真＝齋藤功佑は「シュート数が少ない」ことを真っ先に課題に挙げた（写真◎J.LEAGUE）
■2025年4月20日 J1第11節（観衆：21,870人＠U等々力）
川崎F 0-0 東京V
「もっと強引さというか」
「単純に、やっぱりシュートが少ない」
齋藤功佑による試合直後の「分析」である。確かにシュートは少なかった。公式記録では、前半は1本、後半は2本。
0-0のドローに「いろんな要素があると思います」と前置きしたものの、「バイタルエリアの中までの行き方とか、意識の問題のところはまた工夫してやっていかないといけない」と自分たちに苦言を呈している。
城福浩監督が会見で最初に指摘したのは「あれだけ余裕があるのであれば、ペナルティーエリア周辺で足を振れるチャンスはもっとあった」ということ。それは齋藤も同意する。
「自分も含めてですけど、振れるチャンスを逃しちゃいけないし、そもそも攻撃をしているときにシュートの意識を持ってプレーを選択していかないとダメかなと」
ゴールからの逆算、とはよく言われる「常識」だが、それを実際にピッチの中で表現するためにはさまざまな要素が必要になる。
「間に立ちながら相手のズレを作って攻撃することはできていたんですけど、もっと強引さというか、最後のところはきれいじゃなくてもいいし、シンプルにゴール前の自分たちの形を意識づけしていく必要があると思います。受けたあとに空いているところを探すんじゃなくて、まずはゴールに向かう。それで相手が中央を閉めたらまた外が開く。そういう順番にならないとダメだと思います」
シュートを打つ、そのためにどんなアクションを選ぶのか。その思考の順序を間違うと、ゴールに迫る回数が極端に減ってしまう。この日のように。
この試合のシュート3本は、開幕戦の清水エスパル戦と並んで今季最も少なかった。ゴールもここまでわずか7つのみで、横浜FCと並んでJ1で最も少ない。
正しい順番でゴールに迫ること。東京Vの大きな課題は、いまそこにある。
