上写真=岡山を勝利に導くゴールを決めた佐藤。途中出場から貴重な働きを見せた(写真◎石倉利英)
■2025年4月12日 J1リーグ第10節(@Eピース:観衆26,135人)
広島 0-1 岡山
得点:(岡)佐藤龍之介
「運が良かったとは思っていない」
56分にMF松本昌也との交代で出場してから、わずか2分後だった。DF阿部海大の右サイドへのロングパスに反応したFWルカオが、広島守備陣と入れ替わってドリブルでエリア内へ。最後に広島MF東俊希が触ってルカオはシュートを打てなかったが、後方から追って並走していた佐藤が右足で蹴り込んだ。
「ゴール前に入っていこうと思った。あそこに入ることがゴールにつながったと思う」と振り返る。交代直後のファーストタッチで、報道陣から「持っていますね」と聞かれると「持っているといえば持っているんですけど、決まるときは、そういう感じだと思う。別に運が良かったとは思っていない」と力強く言った。
FC東京のアカデミー育ちの18歳は今季、育成型期限付き移籍で加入。本来のポジションは2列目中央やボランチだが、岡山ではチーム事情もあって右サイドでプレーしている。それでも「サッカー選手として試合に出ることが一番で、試合に出ないと、どこでも評価されないと思う。試合に出られるなら、どこでもプレーします」と前向きで、「ワイドは今年から初めてやっていますけど、自分の特徴も出せますし、ネガティブなことも全くない」と語った。
加入後初先発となった4月2日の第8節・セレッソ大阪戦で、0-1からJリーグ初得点となる同点ゴール。直後に勝ち越されて1-2で敗れ、喜びも半減だったかと思いきや、「自分の中ではうれしい初ゴールだったので、負けてしまったんですけど、うれしさが強かったというのが正直なところ」と振り返った。今回は自らの得点に、勝利の喜びも加わった。しかも歴史に残る中国ダービー初ゴール。「勝って、みんなで喜べる方が何倍もうれしい」と最高の笑顔を見せた
取材・写真◎石倉利英