2025年で注目のチームの一つが、柏レイソルだ。2024年は17位でなんとか降格を回避したが、今季はリカルド・ロドリゲスを監督に迎えたほか、実力者を中心に新選手が16人も加わって、新しいことだらけの魅力的な集団が出来上がりつつある。古賀太陽はそんな変革を大いに楽しみながら開幕に向かっている。

上写真=柏の古賀太陽(右)が開幕戦で対戦する福岡の金森健志と健闘を誓い合う(写真◎J.LEAGUE)

「プレッシャーを受けたいから」

 古賀太陽は新しい柏レイソルが「楽しい!」と叫んでいる。

「楽しいですね、なんか。もちろんうまくいかないこともありますけど、問題をクリアしていくところにも楽しさがあると思っていて、だから楽しみながらプレーできています」

 徳島ヴォルティスや浦和レッズを率いたリカルド・ロドリゲスを指揮官に迎え、選手も小島亨介、杉岡大暉、原田亘、原川力、小泉佳穂、仲間隼斗といった、他クラブで実績を残してきたメンバーを中心に新たに16人もが加わった。

 2月9日のプレシーズンマッチ、第29回ちばぎんカップでは先発メンバー11人のうち実に7人が新メンバーという陣容で臨み、J2のジェフユナイテッド千葉に3-0の快勝を収めた。新戦力を「リカルド流」でまとめ上げた、清々しいお披露目である。

「伝えたいことがすごく簡潔にはっきりしていると思っていて、選手も理解しやすいのかな」

 新監督が放つメッセージの有用性を、古賀はそう感じている。自身が惹かれている最大の理由は、やはりボールを動かしながら前進していくスタイルにあるという。

「やっぱりそこが一番ですよね。それに、ポジション的に常に自分から攻撃がスタートするような形が多いので、相手を操るというか、左右上下に揺さぶりながら前進していくところに楽しさを感じています」

 もともと足元の技術に長けたセンターバックである。「自分からボールを動かすことをストレスに感じることはない」と断言するのも頷ける。

 では、監督がなぜボールを動かしたいのか。「プレッシャーを受けたいから」なのだと古賀は明かす。プレッシャーを「回避」するためではなく。

「監督としては、プレッシャーをいい意味で受けたいって言うんです。つまり、相手のプレッシャーをスタートさせて奪いに来たその背中を取りたいという意図を、一つひとつの言葉にもすごく感じています。そこを汲み取ってプレーできている感覚はあって、そこも楽しさを感じながらプレーできるポイントなのかなと」

 2月10日のJリーグ開幕イベントでは、注目してもらいたい自らのプレーに「縦パス」を挙げた。最終ラインで素早くボールを動かしながら、古賀が狙う縦パス。その「届け先」に注目したい。

「相手次第ではありますけど、常に空いてるスペースを見つけてほしいと監督には言われています。ただ、相手がマンツーマン気味に来るのであれば、もちろんシンプルに遠いところも選択肢の一つだとも言われていて、全員が空いているスペースを見つけながら動かしていくのが一番ですね。いずれにしても、テンポよく動かすようには常に言われていますから、そこは90分通してやれればと思っています」

 近い場所でも遠い場所でも、スペースが空いていて受け手と意図が合えばどちらを選んでも正解。ただ、早いテンポでつないでいかなければならない。それが、「リカルド流」のテキストの1ページ目と言えるだろう。

 リカルド・ロドリゲス監督が浦和を率いているとき、古賀は敵として対戦している。そのときには、相手の強みを抑え、弱みを突いて臨んだ。これからは、その「逆」が柏の強みと弱みになる。

「当時の浦和の強みは、こちらが食いつけば食いつくほどその背中を取られること。奪いきれない感覚は相手ながらに持っていて、そこにストレスを抱えてはいました。逆に今シーズンは、僕たちがそういうことをできる立場になっていければいいですね」

「逆に弱点だと狙っていたのは、高い位置でもビルドアップを丁寧にするので、いい形でボールを奪えればショートカウンターでゴールまで迫れること。だからいまは逆に、そのリスクを承知の上で、より切り替えの速さや危険な失い方をしないように注意しなければいけないなと」

 2月15日の開幕戦ではアウェーでアビスパ福岡と対戦する。魅力たっぷりの「シン・レイソル」を知らしめる90分にするつもりだ。


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