リーグ15試合を消化し、浦和レッズの失点数は「12」。最少失点の首位ヴィッセル神戸の「11」に次ぐ数字である。今季、新たに加わったノルウェー人センターバックの存在感は増すばかり。4日の鹿島アントラーズ戦でもシャットアウトに大きく貢献した。

上写真=勝利は得られなかったが無失点に大きく貢献したホイブラーテン(写真◎Getty Images)

ショルツに納豆を勧められました

 今季は新たな門番としてマリウス・ホイブラーテンが加わったことで、浦和のセンターラインはより堅固になっている。鹿島戦の無失点を含め、今季、リーグ戦のクリーンシートは6試合目。来日1年目のセンターバックは胸を張る。

「ディフェンダーはクリーンシートが一つの評価になります。個人的にゼロで終えると、うれしいです。『僕らから点を取るのは難しい』という証明でもあるので。ただ、きょうの試合には勝ちたかった。そこだけは残念ですね」

 185cm、77kgの屈強な体を生かしたハードマークは目を見張る。今季、8ゴールを挙げている鹿島の鈴木優磨にも仕事らしい仕事をさせなかった。競り合いで負けず、体を張ってシュートをブロック。57分にはカウンターを防ぐために激しいタックルで体ごとはじき飛ばした。イエローカードの判定には苦笑したものの、1試合を通して、相手のエースを抑え込んだ。

「試合前から分析していました。鈴木はとても良いストライカーです。意識したのは背後をしっかりケアすること。彼にはあまりスペースを与えないようにしていたんです。常に集中し、良いポジショニングを取ることができたと思います」

 もちろん、一人で守っているわけではない。センターバックを組むデンマーク人のショルツとは、あうんの呼吸を見せている。1年目のペアとは思えないほどである。チャレンジ・アンド・カバーを徹底し、お互いをうまく補完している。同じ北欧出身。サッカー観も近く、スムーズにコミュニケーションを取れているのは大きいという。日本文化になじむためのアドバイスももらっている。

「ショルツに納豆を勧められました。最初は戸惑いましたが、いまでは好物になっています。キムチのトッピングもしますよ。ライスに納豆は最高の組み合わせですね」

 異国の食文化にもすっかりなじみ、連戦でもコンディションを維持。今季は開幕からリーグ戦全試合で先発フル出場している。ケガにも強く、鹿島戦では接触してヒザを押さえて倒れたが、しばらくして立ち上がり、最後まで全力でプレーした。

「あのときはヒザを伸ばすと少し痛みを感じましたが、何ともなかった。ちょっとした打撲ですよ。問題ありません」

 試合後にはけろっとした顔を見せていた。多少の痛みなど気にも留めていない。ノルウェーから野心を持って移籍してきた守備の職人が、見据えているのはリーグの頂点。

「上位をキープするためには、鹿島を無失点に抑えたようなパフォーマンスを続けることです。対戦相手の攻撃陣に浦和から点を取るのは難しいと思わせないといけない」

 頑強な番人は、リーグ制覇するまで休みなく働き続けるつもりだ。

取材◎杉園昌之


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