昨年7月の日本代表の試合で右ひざ前十字靭帯を断裂し、長期離脱していた横浜F・マリノスの宮市亮が、24日のルヴァンカップ・グループステージ第5節、北海道コンサドーレ札幌戦でメンバー入りすることが濃厚となった。

上写真=トレーニング中の宮市亮(写真◎舩木渉)

出場すれば301日ぶりの復帰

 ようやく誰もが待ち望んだカムバックの時がやってきそうだ。

 横浜F・マリノスは24日にYBCルヴァンカップのグループステージ第5節で北海道コンサドーレ札幌と対戦する。この試合でFW宮市亮がメンバー入りする可能性が濃厚となった。

 試合出場が実現すれば、日本代表として出場した昨年7月27日の韓国代表戦以来、301日ぶりの公式戦復帰となる。マリノスはルヴァンカップ開幕から4連勝ですでにプライムステージ進出を確定させており、リーグ戦から大幅なメンバー変更が予想される中で宮市にもチャンスが巡ってきそうだ。

 チームを率いるケヴィン・マスカット監督は22日の練習後に報道陣の取材に応じ「(札幌戦は)アウェイゲームで、プライムステージ進出が決まっており、出場時間を欲している選手もたくさんいることも考慮してメンバーを選びたい。そして、週末のアビスパ福岡戦への準備も頭の中に入れておかなくてはならない」と述べた。

 この日は20日のガンバ大阪戦に先発起用されたフィールドプレーヤー10人がリカバリーメニューをこなし、長期離脱中のDF角田涼太朗とDF小池龍太を除く全選手がグラウンドに姿を見せた。

 もちろん宮市もゲーム形式も含めてフルメニューをこなしており、マスカット監督も「今日までいい形で練習できていて、この1週間でコンディションはかなり上がってきている」と太鼓判。そのうえで「最終フェーズは、試合勘を取り戻していくこと。もちろん札幌戦でメンバーに含めることも考えている」と約10ヶ月ぶりの復帰を示唆した。

 昨年7月末に右ひざ前十字靭帯を断裂してから、順調にリハビリを進めてきた宮市。今季開幕前の宮崎キャンプ中に全体練習合流へ近づいたものの、その時は検査の数値が思わしくなく断念。2月上旬から全体練習に部分合流し、徐々にペースを上げながら一歩ずつ復帰への道を進んできた。

 ところが3月に入って「故障箇所も含め他のところにも」違和感が出て再び離脱することに。練習試合でプレー時間を伸ばしていたが、無念の後退を強いられた。その後、全体練習合流→離脱をもう一度繰り返し、5月に入ってから三たびチームに合流して調整を続けてきた。

 今月17日の段階で状態は「90%くらいまではきている」と語っていた宮市に、改めてマスカット監督がメンバー入りを示唆したことを尋ねると「本当ですか?」と笑みを浮かべる。その後は、「個人というよりチームでまとまって、1つの大事な公式戦でもあるので、いい機会にしたい」と札幌戦での復帰を前提にしているようだった。

「すごく楽しみです。1秒1秒を楽しみたいし、またこうしてプロ選手としてピッチに立てる、しかも日本一のクラブでまたユニフォームを着て戦える喜びを噛み締めたい。そこ(復帰)に至るまで、クラブもファン・サポーターも、いろいろな人の支えがあって約10ヶ月やれてきた。どんな形になろうともマリノスのために走り回りたいと思います」

 右膝の大ケガを負ってからの10ヵ月、試合に出らないながらも「僕はマリノスというチームが本当に好きで、初めてのJリーグのクラブで、ここまで選手としてやらせてもらった。チームとしてもうまくいっていて、本当に嬉しい気持ちだった」という。

 今度は宮市自身がプレーでクラブやチームメイト、ファン・サポーターに恩返しする番だ。

「自分はスピードが武器ですし、そこに関しても落ちていないので、ピッチでチームのために存分に発揮したいです。この(離脱)期間を通して本当にサポーター、チーム、いろいろな人が支えてくれて、僕がピッチに戻ってこられるような体になるまで尽力してくれた。そういう人たちに向けて、全力でプレーすることが何よりの恩返しだと思っています」

 完全復活まではもう少し時間が必要だろうが、まずは公式戦のピッチに立つことが重要な一歩。負傷箇所への不安はなく、準備は整った。

「心が折れた時もありましたけど、本当にみんなのおかげでここまで来られた。感謝を持ってプレーしたいし、何より楽しみたいと思います」

 今季からマリノスを象徴する背番号「23」を受け継いだスピードスターが、長く暗いトンネルを抜けて光の射すところに帰ってくる。

取材◎舩木渉

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