退任が発表された浦和レッズのリカルド・ロドリゲス監督が、最後となる、試合前日のオンライン会見に臨んだ。チームを去る残念な思いをときおり涙ぐみながら明かすとともに、公式戦最後となる11月5日の明治安田生命J1リーグ第34節アビスパ福岡戦に向けて、勝利を誓った。

上写真=リカルド・ロドリゲス監督はACLで決勝に進出したチームを誇らしく振り返った(写真◎AFC)

「胸を張って去ることができます」

「ご存じの通り、明日が私の最後の公式戦になります」

 浦和レッズのリカルド・ロドリゲス監督は、会見の冒頭にそう切り出した。クラブは10月31日に「2022シーズンをもって監督職を解除する」と発表していた。

「クラブの判断で私が監督として継続せずに、別の監督とプロセスを進めるということで、一人ひとりがそれぞれの立場で判断を下さなければいけない中で、その決断を尊重します」

 フロントと話を進める中で、前節の横浜F・マリノス戦のあとに正式に結論を伝えられたと明かすが、1カ月ぐらい前からその兆候は感じ取っていたという。

「理解を示してもらって、これからもここで、みんなで同じ方向を向いて仕事をすることを望んでいました。でもフロントでの変化もあって、続投の難しさは感じていました」

 それでも、顔を上げて堂々と去っていくつもりだ。

「この2年でさまざまなことを獲得してきましたから、胸を張って去ることができます」

 昨季の天皇杯優勝、今季のAFCチャンピオンズリーグ決勝進出。2つの大仕事をやってのけたが、もちろんそれ以外にもたくさんある。

「クラブからの要求は、まず1つは新たなスタイルを作ることでした。それはできたと思っています。それができたからこそ、昨季はJリーグアウォーズで賞をいただけたと思っています(J1優秀監督賞を受賞)」

「もう一つは、タイトルを取ることでした。それはできました。ACLへの参加も目標でしたが、しっかりプレーして決勝に駒を進めることができています。決勝にいることができないのが、自分にとって一番心が痛いことですけれど」

「もう一つ、チームを若返らせることも要求されていました。いまでは将来性のある若いチームになっていると思います」

 ACLの決勝が開催されるのが来年2月の予定で、いままで通りに12月までに行われていれば、リカルド・ロドリゲス監督はどんな戦いを挑んでいただろうか。

「2014年1月にアジアに来て9年がたちました。最初はタイの小さなクラブでした。この9年の間で、私も監督として成長しながら大きなクラブに移ることができました」

 自らの成長とチームの成長を重ね合わせた。

「このプロセスを別の方と続けることは、クラブが前から決めていたことなのかもしれません。もちろん、サッカーはそういう世界ですから尊重します。監督として浦和で2年を過ごし、自分もそこで成長することができてうれしく思っています。勝ち取ることができるものは勝ち取ってきましたし、そこは誇りです。浦和の監督として仕事ができて、光栄に思っています」

 公式戦ラストマッチは、ホーム、埼玉スタジアムで11月5日に行われるJ1第34節のアビスパ福岡戦だ。そのあと、11月16日にドイツのフランクフルトを迎えて戦うさいたまシティカップが最後の指揮になる。


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