川崎フロンターレのGKチョン・ソンリョンが、予定よりも早い復活を遂げた。明治安田生命J1リーグも11月5日に最終節を迎えるが、その前節で負傷からピッチに戻って勝利に貢献。大逆転3連覇の可能性を保った。最後の1試合も、緊張を飼い慣らしてこれまで通りに戦うだけだ。

上写真=チョン・ソンリョンが最後の試合で狙うのは、もちろん無失点だ(写真◎J.LEAGUE)

「コツコツと積み上げてきた」

「意地があったから、復帰が早くなったと思います。僕だけじゃなくて、コーチングスタッフもトレーナーも、みんながサポートしてくれました」

 チョン・ソンリョンが負傷したのが、10月1日の北海道コンサドーレ札幌戦だった。診断は右膝内側側副靱帯損傷で、その日から全治まで4週ほどを要する見込みだと発表された。しかし、10月29日のヴィッセル神戸戦で帰ってきた。予定より早くなったのは、意地だと言いきった。

 コンディションは100パーセントにまで戻ってはいなかったという。しかし、2-1の勝利に貢献した。首位の横浜F・マリノスに勝ち点2差のまま、11月5日の最終節、FC東京とのアウェーでの「多摩川クラシコ」に向かう。

「みんなで力を合わせて最終戦まで競争できたのは、コツコツと勝ち点を積み上げてきた結果です。ここで逆転優勝できるように最善を尽くしたいと思っています」

 特に今年は、昨年までのような派手なゴールラッシュも少なく、我慢の試合が多かった。それでも集中してていねいに勝ち点を重ねることで、途中で倒れずにここまで走り続けてきた。

「フロンターレしかできないサッカーを、シーズンを通してできたと思います」

 この1年をそう振り返って胸を張る。2022年の最後の1試合も、同じように戦うだけだ。

「もちろん、少しの緊張感やプレッシャーは感じていますけど、これまでやってきたことをピッチで出せればいいと思っています」

 川崎Fは勝つしか優勝への道はない。だからそのために、チョン・ソンリョンはゴールを守り抜く。


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