明治安田生命J1リーグで2位の川崎フロンターレは、前節の黒星によって首位の横浜F・マリノスと勝ち点8差がついた。残りは4試合。とにかく勝つだけだから、キャプテンの谷口彰悟の中には逆に開き直りも生まれたという。

上写真=谷口彰悟は残り4試合に堂々と勝利を求めていく(写真◎J.LEAGUE)

「バタバタな感じが続いてしまって」

 痛恨の黒星。首位を追走している2位の川崎フロンターレが前節、北海道コンサドーレ札幌に3-4で敗れて、前を行く横浜F・マリノスに勝ち点8差をつけられた。

 谷口彰悟のコンディションは100パーセントとは言えなかった。11月開幕のワールドカップに向けたサバイバルとして、日本代表のテストマッチをドイツで戦い、帰国して2日だけ練習してまた札幌に飛んで試合に臨んだ。さすがにベンチスタートになった。

「前半から見ていても、バタバタする展開が続いたのかな、と。攻撃も守備もどっちも中途半端で、先制しましたけど前半で逆転されて苦しい展開でした」

 逆襲が必要な流れの中で、ジェジエウの負傷もあって出番は57分に巡ってきた。すると60分に知念慶、63分に小林悠が決めて逆転に成功した。

「後半の早いタイミングで出ましたけど、オープンな展開だったのでチャンスはあるなと思っていました。そこから逆転まで持っていったから、もったいないですよね。バタバタな感じが続いてしまって」

 守備の要が「バタバタ」と表現する小さなズレやミスが、やがて大きな亀裂となって相手に突かれる、という典型的な流れだった。83分、そして最後の最後、90+12分に失点して逆転負け。

 キャプテンである谷口は、この苦々しい敗戦から何を学ぶのか。

「自分たちの現状を受け入れて、なおかつ開き直りではないですけど、やるしかないというか、誰も助けてくれないというか。この人に預けておけばやってくれる、とか、助けてくれる、ということは本当にないので、一人ひとりが自分がやるしかないと覚悟を決めてやり始めています」

 苦境が覚悟をより強くした、とも言える。

「ケガ人も出てチャンスをもらう選手もいるだろうし、自分がやるしかないという選手が増えてきた感覚があります。そういうときが一番、個人としてもチームとしても伸びる時期かなと思っています」

 チームも個人も、いつでも、どこまでも成長するのだと信じている。

「優勝云々はありますけど、目の前の試合に勝ちたい、その思いしかありません。その次に、ほかの結果を気にすればいいと思います。いまは勝つことしか考えていなくて、そのシンプルな思いが強いです」

 原点に戻って、ただひたすらに、勝つ。


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