9月25日のJリーグYBCルヴァンカップ準決勝第2戦で、浦和レッズはセレッソ大阪に0-4という大差で敗れ、決勝進出を阻まれることになった。なぜここまでの完敗を喫することになってしまったのか。このチームの攻守の要、岩尾憲の反省の弁からその一端を紐解く。

上写真=岩尾憲は「自分の力不足」と完敗を認めた(写真◎J.LEAGUE)

■2022年9月25日 ルヴァンカップ準決勝第2戦(埼玉/26,899人)
浦和 0-4 C大阪
得点者:(C)オウンゴール、奥埜博亮、加藤陸次樹、ジェアン・パトリッキ
※1勝1分けでC大阪が決勝進出

「できなかったことは、できるようにしなければ」

 浦和レッズは、どうしてセレッソ大阪に完敗したのか。

「スピード」をその大きな原因に挙げるのが、岩尾憲だ。

「ピッチの中で打開策は探していましたが、相手のプレスが整理されているところも含めて、なかなか穴を見つけられませんでした。相手を見てポジションを取るスピードよりも、相手のプレスのスピードのほうが速かった。自分たちがポジションを取ることに時間をかけてしまって、それ故にハマってしまったわけです」

 改善するために、やらなければならなかったことがある、と岩尾は自分に突き立てる。

「その状況はやっていてわかっていましたけど、悪いなりに(失点を)ゼロで抑えるとか、一回引き込んでからオーガナイズして守備の共通認識を持つとか、そういう統一性を持つことをもっとピッチの中で行うべきでした。結果論だけど、そういうことになると思います」

 もちろん、そのためのコミュニケーションは図っていた。うまくいかないことばかりで23分にはオウンゴールで先制され、プレーが途切れたときに小泉佳穂や大久保智明と集まって長い時間をかけて話し込む姿が、その難しさを物語っていた。

 相手がプレスに向かってくる時間と、こちらがポジションを整える時間のズレを“ゆがめる”こともできただろう。そのために必要だったのが、個のパワーである。

「あれだけ組織的に守られると、プレーする時間を許してもらえなくなります。でも、個のところでドリブルを得意としている選手もいるので、一つはがしてずれを作って、はたいてもう一回もぐったり、サイドを変えたり、時間がない中で個でズレを生む作業がもう少し行われると、パスもより生きてくると思っていました」

 だが、それをも上回るスピードをC大阪が兼ね備えていたことで、悔しいけれど、後手に回った。

「カバーのスピードも含めて速くて、難しいドリブルの選択、難しいパスの選択になってしまって、より相手がコンパクトなところに突っ込んでしまうことになりました。そこはまだまだチームとして自分たちが課題を残している部分だと感じましたし、これを過ぎたこととするのではなくて、できなかったことは、できるようにしなければならないと思います」

 これで残るタイトルは、決勝進出を決めているAFCチャンピオンズリーグのみとなったが、開催は来年2月の予定。今年はリーグ戦5試合を残すのみとなり、この450分が課題解決の鍵を握る。

「ひっくり返す力がなかったと真摯に受け止めて、これが現実だと思うので、おごることなく認めて、前に進まなければいけないと思います」

取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE


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