川崎フロンターレのキャプテン、谷口彰悟がドイツに遠征する日本代表のメンバーに選ばれた。11月に開幕するカタール・ワールドカップへ向けた重要な準備に臨む。もちろんその前に、川崎Fのために勝つ。首位の横浜F・マリノスを追い続ける意欲は衰えるわけはない。

上写真=谷口彰悟が日本代表入り。柏を下して、トッププレーヤーとしての意地を見せたい(写真◎J.LEAGUE)

「出場してアピールしていきたい」

 疲れた、などと言っている暇はない。川崎フロンターレのキャプテン、谷口彰悟はJリーグの連戦のあと、ドイツに向かう。カタール・ワールドカップを目指す日本代表のテストマッチに臨むためだ。アメリカ、エクアドルと戦う今回、選ばれたのは30人。11月に開幕する本大会へ向けて、最後のサバイバルレースに臨む。

「まずは日本代表に選ばれて非常に光栄に思いますし、今回がどれだけ重要かは僕自身も理解しているつもりです。メンバー争いも、本大会への最後の活動になることも含めて重要な期間になると思っています。ドイツでアメリカとエクアドルというワールドカップ出場国と試合ができるのは非常に貴重な機会で、自分たちが目指しているものを合わせることをはじめ、やっていかなければいけないことはたくさんあります。トレーニングからしっかりやって成果や課題が見つかるような2試合にしたいと思います。自分もそこに絡んでいきたいし、出場してアピールしていきたい思いがあるので、いい準備をして臨みたい」

 その前に、川崎Fの優勝のために、柏レイソルとのアウェーゲームで勝ち点3を手にするつもりだ。9月14日の名古屋グランパス戦では先制しながら追いつかれて1-1のドローに終わった。首位の横浜F・マリノスが勝利を収めたから、勝ち点差が5に開いた。だから、次の柏戦で負けるわけにはいかないのだ。

 名古屋戦の反省点は明らかだ。

「相手に合わせたかな、という感じはあります。名古屋はブロックを組んだ状態からスタートする守備を前半はしてきて、こちらも後ろで回すのは簡単だったけれど、そこから先になかなかパワーを発揮できませんでした。いるべきところにいてほしい選手がいなかったり、後ろに重たい状況が長かったことが挙げられると思います」

 中でも、中盤と前線の間のエリアにおけるアクションに改善点を感じたという。

「ラインをブレイクしにかかる選手が少ないと感じました。(1トップの)知念(慶)の周りの一番危険なところに入る作業ができなくて、相手も前向きで守備ができる状態だったので、怖くなかったと思います。相手の嫌なことをもっとやらなければならない」

 相手を困らせるのはこのチームの得意技だが、それができなかったのには、名古屋の交代策も関係していそうだ。名古屋は5-3-2のブロックを敷いて、中盤の「3」でうまく川崎Fの縦パスを引っかけていた。後半開始からその3人のうち2人を代えて、フレッシュさを担保した。

「やりにくさまでは感じてはいなかったですけど、揺さぶりをかけてジャブのようにボールを動かすのが効いてくるはずが、選手が代わったので最後まで相手に頑張りきられてしまった。そうであっても、彼らの足を止めるぐらい回せたら良かったんですけど、うまく回せることは多くはなかったから、その意味では相手の策にやられたかもしれません」

 その反省を修正してぶつける柏は、ここ5試合で2分け3敗と苦しんでいて、10日の浦和戦には1-4で大敗している。

「多少メンバー代わったりしながらも、柏もあまり勝っていないので、その意味ではお互いに勝ちがほしい状況です。お互いにそこしか見ていないゲームになるのではいか。だから、相手との戦いではありますけど、自分たちがしっかり準備して、目の前の勝ち点3に向けて考えているところです」

 川崎Fが中2日でこの一戦を迎えるのに対し、柏は1週間空いて準備万端。不利な条件であっても、ポリシーを曲げるようなことはしたくないと力を込める。

「僕たちがこれまでどういうサッカーをして勝ってきたのか。そのベースは変えたくありません。優勝に対する執着を示すことのできるようなスタートをするべきだと思っています」

 キックオフから全開で攻め抜くつもりだ。


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