サンフレッチェ広島GK大迫敬介が、広島ユース時代からの同期・MF川村拓夢の2得点を駆け寄って祝福した。プロ初得点の際は駆けつけることができず、今回も思わぬアクシデントがあったものの、ついに約束を果たして喜びの輪に。自身も好守を披露し、最高の勝利をつかんだ。

上写真=ピンチを防いで勝利に貢献した大迫と、2得点の川村が勝利の笑顔!(写真◎J.LEAGUE)

■2022年9月3日 J1リーグ第28節(@Eスタ:観衆11,437人)
広島 2-0 清水
得点者=(広)川村拓夢2

相手との1対1で好セーブ

 9月3日の明治安田生命J1リーグ第28節で清水エスパルスとホームで対戦した広島は、65分にDF塩谷司が退場処分を受け、10人での戦いに。だが0-0で粘った末に83分、交代出場のMF川村拓夢が値千金の先制点を奪った。

 チームメイトやスタッフが集まってベンチ前で喜びの輪ができたところに、大迫も自陣ゴール前から駆け寄った。ただ、足取りはゆっくり。抱き合って祝福し、再びゆっくりゴール前に戻ると、両足の裏側を伸ばすようにストレッチして試合再開に備えた。

 足取りがゆっくりだったのは「足がつっていて…」だと笑った。1人少ない状況で、極限の集中力でゴールを守っていた反動だろう。ゆえに「1回(祝福に行くのを)やめようと思った」そうだが、「もう行こうと思って、ゆっくり行きました。10人で守って、最後に途中から入った拓夢が決める。最高の試合でした」と勝利を喜んだ。

 退場者が出る前の48分には、先制されそうなピンチで好セーブを披露。カウンターから清水FWカルリーニョス・ジュニオがフリーとなったが、素早く間合いを詰めて左足でセーブし、1対1を制した。「1対1は最近、良い感覚をつかんでいたので、落ち着いて距離を詰めることができた」と振り返り、「一瞬でも迷ったり、タイミングを間違えると、相手が優位になってしまう。ドンピシャの良いタイミングで出ることができた」と納得の表情を浮かべた。

 ただ、自分の活躍以上にうれしかったのは、やはり広島ユース時代からの同期である川村のゴール。90+5分に川村が自陣から約65メートルのロングシュートで2点目を決めたときは、ハーフウェーライン付近に喜びの輪ができたこともあり、1点目よりも速い足取りで祝福に駆け寄った。すっかり興奮していた大迫は「スーパー! スーパー! しか言っていなかった」という。

 大迫と川村は、同じく広島ユース時代からの同期であるFW満田誠、MF仙波大志(今季途中からファジアーノ岡山に期限付き移籍中)の4人で、今季のクラブ公式イヤーブックの企画に登場。その中で大迫は、3人がプロ初ゴールを決めたら「ゴール前から走って祝福に行く」と約束しており、実際に満田が3月のJリーグYBCルヴァン初ゴールを決めたときは、敵陣まで駆け寄って喜びの輪に加わっている。

 川村は8月6日のJ1第24節、アウェーでの鹿島アントラーズ戦でプロ初ゴールとなる先制点を決めたが、大迫は川村が決めたとは分からずに出遅れ、駆け寄ることができなかった。初ゴールではなかったものの、今回は2得点とも祝福した紫の守護神は「約束を守りましたよ! (記事に)書いてくださいね!」と最高の笑顔を見せた。

現地取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE


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