明治安田生命J1リーグ第24節で、ビッグカードが組まれている。王者・川崎フロンターレが、現在首位の横浜F・マリノスを迎える一戦だ。川崎Fは新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、苦しい状態が続くが、キャプテンの谷口彰悟がこの一戦にかける思いは、熱くて強い。

上写真=ルヴァンカップでは「割り切った戦い」にもシフトして、アウェーで引き分け、第2戦に向かうことに(写真◎J.LEAGUE)

「逆に先制パンチを」

「思いが伝わるゲームにしたい」

 新型コロナウイルス感染症で多くの陽性者が出て、苦しい戦いが続く川崎フロンターレ。8月7日には首位の横浜F・マリノスとの試合が待っている。

「次の試合は大一番」とキャプテンの谷口彰悟も表現する一戦に、メンバーが完全に揃わない状況で戦わなければならない緊急事態……なのだが、谷口は「楽しみでもある」と高ぶる。メンバーも少しずつ復帰してきて、活気も戻ってきているのだ。

「徐々にメンバーが戻ってきてみんなとサッカーできますし、ここで勝つことができれば自分たちで可能性を広げるチャンスだと思っています。この瀬戸際でどう戦えるのかも楽しみの一つです」

 チームメートとボールを蹴って高め合うのがいかに素晴らしいことか、アクシデントがあったことで改めて心に刻まれた。

 その純粋な思いをぶつける横浜FMの選手とは、「仲間」として結果を残してきた。E-1選手権で日本代表のキャプテンを務めた谷口は、横浜FMに所属する畠中槙之輔、小池龍太、岩田智輝、藤田譲瑠チマ、水沼宏太、宮市亮、西村拓真とともに日の丸を背負って優勝を果たした。今度は、頼もしかった彼らが行く手を阻もうとしている。

「マリノスの選手たちはやっぱり動きが止まらないですし、常に動きながらプレーできる選手ばかりです。相手の背後や嫌なところを狙っていくのが習慣化されているなと、一緒にトレーニングしたり試合をしてみて感じました。今度は相手となるわけですが、簡単にやらせたくはありません。気持ちよくやらせるわけにはいかないので、こちらも強い意志を出していきたい」

 味方として心強かった分、敵に回すとやっかいなことこの上ない。だが、相手の狙いがわかっているからこそ、センターバックとしては予測のスピードを上げることもできる。

「受けてしまうと、マリノスの良さはどんどん出てきてしまうから、簡単に受けないことが大事です。こちらも自信を持って出ていかないとイケイケでやられる展開になってしまうので、しっかり武器を持ちながら、逆に先制パンチを与えられるようなゲームをしたいと思います」

 そして、いまこそ発揮したいのは、リーダーとしての格だ。ここ2年は負傷者が出たり移籍でチームを離れる選手がいたり、過密日程が続いたりと苦しい時期が何度もあった。でも、乗り越えて栄光をつかんだ。その経験が物を言うときがきた。

「苦しい時期、ここ一番のところで勝負して、ここ数年はタイトルを獲得してきました。その経験があります。新しく入ってきた選手にはこういう試合の戦い方や重要性を言葉やプレーで伝えながら、みんなで高めあっていければと思っています」

 待ってろ、横浜FM。その思いで、重要な一戦を戦い抜く。

「いま首位を快走しているチームと直接対決できるので、勝って少しでも差を縮めたい。勝てると自分たちも一つ乗っていける要素にできますから。まだまだあきらめていないですし、ここでしっかりたたいて、そこから自分たちが進んでいく、という思いのほうが強いですから、そういう思いが伝わるゲームにしたい」


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