川崎フロンターレは明治安田生命J1リーグ第21節のガンバ大阪戦で、鬼木達監督不在で戦った。鬼木監督が新型コロナウイルス感染症で濃厚接触者となったためだが、オンラインによる「リモートライブ采配」に。監督不在をパワーにして快勝した選手やスタッフを、鬼木監督は頼もしく見つめていた。

上写真=鬼木達監督はG大阪戦に向けて、自らは不在になったが「この重要な一戦に勝ちたい」とオンラインで語りかけたという(写真◎スクリーンショット)

「周平の言葉は自分の言葉だと思って」

 7月7日、川崎フロンターレの鬼木達監督が新型コロナウイルス感染症の濃厚接触者と認定されたことが発表され、9日の明治安田生命J1リーグ第21節ガンバ大阪戦は「お休み」。週明けの12日から復帰した。

「良くも悪くもいいきっかけにして、いい形で勝ちたいと話していました」

 その前のセレッソ大阪戦で敗れたあとだったから、監督不在の緊急事態とも合わせてなおさら勝利が必要だった。

「スタッフもいままで以上に全員でやれることを取り組んで、選手に落とし込んでくれました。選手も自分たちがやるんだと意識づけてくれました」

 不在の間も練習の映像を見て選手の状況をチェックし、ミーティングにもオンラインで参加、G大阪戦で起用するメンバーもスタッフと相談しながら鬼木監督が決め、試合中の交代についてもスタッフと通信しながらその場で情報をやり取りして、代わりに指揮を執った寺田周平コーチに伝達する方法を採ったという。

「自分が何試合も不在になるのであればみんなに託していいという思いがありましたが、1試合だけでしたし、それなら自分の考えでやったほうがいいとみんなに言ってもらえたので、こういう形になりました。選手にも、周平の言葉は自分の言葉だと思って聞いてほしいと言ってきましたし、周平も大変な中でいい声かけをしてくれて、いろいろなパワーが出てよかったと思います」

 監督不在の中でさらに一致団結して、G大阪には4-0と快勝した。鬼木監督が求める「1試合3ゴール」のノルマを達成した、今季2試合目になった。中でも、4試合ぶりの先発に起用したレアンドロ・ダミアンに3カ月ぶりのゴールが生まれ、5試合ぶり先発のマルシーニョがたたみかけるように追加点と、ブラジル人2人が奮起して結果を残したことは、夏の逆襲へ向けて大きい。

「狙っていた形、トレーニングでやってきたことを出してくれました。トレーニングの様子を映像で見てもそうだし、周平と話す中でも調子がいいと言われて起用しました。トレーニングでのプレーがそのままゲームに反映しましたが、トレーニングで調子のいい選手はそのまま試合でも調子がいいということを、ここ最近は改めて強く感じますね」

 続く第22節は、対戦相手の名古屋グランパスでトップチームの選手・スタッフ複数名が新型コロナウイルス感染症の陽性診断を受け、管轄の保健所より活動停止の指導を受けたため中止(延期)に。30日のアウェーの浦和レッズ戦まで時間ができたが、G大阪戦の後半は無得点に終わっていることを受けて、「決定機がなかったわけではないので、そこに対する質を求めたい」と、この期間を利用してさらに突き詰めていくつもりだ。


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