明治安田生命J1リーグの第19節が2日に行われ、国立競技場では清水エスパルス対横浜F・マリノスが対戦した。先行しつつも2度、同点に追いつかれた横浜FMだが、レオ・セアラのハットトリックを含む5発を叩き込み、快勝。首位をキープした。

上写真=3ゴール1アシストの活躍でチームに勝利をもたらしたレオ・セアラと抱き合う水沼宏太(写真◎J.LEAGUE)

■2022年7月2日 明治安田生命J1リーグ第19節(@国立競技場/観衆56,131人)
清水 3-5 横浜FM
得点者:(清)神谷優太、チアゴ・サンタナ。片山瑛一
    (横)西村拓真、レオ・セアラ3、宮市亮
    

首位チームの力を示す

 クラブ創設30周年記念マッチであり、清水のホームゲームとしては10年ぶりに国立競技場で行われた一戦は、アウェーの横浜FMが先制した。GK権田のキックの軌道がやや高く、右サイドバックの原が頭で触れるも収められず、こぼれ球は横浜FMの左サイドハーフ、エウベルの元へ届いた。

 横浜FMは、そこからの展開が早かった。ボックス手間のレオ・セアラにボールをつけ、その間にトップ下の西村が中央から左のポケットへ走り出す。清水守備陣の裏でパスを受けた西村は迷わず左足を振り抜き、前に出てきたGK権田の股間を抜いた。

 横浜FM攻撃陣には迷いがなく、鮮やかな連動でネットを揺らしてみせた。開始10分に首位に立つチームと降格圏の17位に沈む清水とのチーム状態の差がいきなり表れたかに思われた。だが、清水も素早い切り替えで対抗してみせる。その3分後だった。

 横浜FMは最終ラインからのパスを水沼が後方に落とし、前向きでボランチの岩田がボールを保持した。その瞬間を清水は逃さなかった。チアゴ・サンタナが前線からプレスバック。ボールをつついてマイボールにすると、白崎からチアゴ・サンタナが再びボールを引き取って中央を持ち上がり、右に開いた神谷にパス。GKの位置をしっかり見て神谷がゴール左隅にシュートを叩き込んだ。

 その後は互いに譲らず1-1のまま進んだが、前半のアディショナルタイムに次の1点が生まれる。横浜FMは左サイドからピッチを横断するようにパスをつなぎ、最後は右の水沼が入れた斜めのクロスにレオ・セアラが飛び込み、追加点。清水は自陣でプレーする時間が長くなる中で粘り強い守備を見せたものの、この場面ではスライドが間に合わず、水沼にフリーでクロスを許して失点することになってしまった。

 後半、1点を追う形になった清水はスタートから積極性を示した。「DFラインを上げて、厳しくプレスをかけて、ボールを奪うこと。ボールを握ってフィニッシュまでやり切ろう」とゼ・リカルド監督に送り出された選手たちがその言葉を体現する。背後を突く攻めから早々に同点に追いついた。

 47分、自陣から白崎が浮き球パスを背後に送ると左サイドを神谷が抜け出し、クロス。相手DFに当たってこぼれた先で待っていたチアゴ・サンタナが左足を一閃。ニアサイドを抜き、2-2とした。ただ、その2分後、今度は横浜FMが強烈にニアサイドを抜く。清水のミスを逃さなかった。相手スローインの流れでチアゴ・サンタナから宮本へ送ったパスがズレて、それをレオ・セアラが回収。右足を振り抜くと、ポストの内側に当たってそのままゴールイン。追いつかれた直後に横浜FMが勝ち越しに成功してみせた。

 勢いに乗った横浜FMは52分に、リードを広げる。右サイドにボールを運んだ岩田からボックス右付近にいた水沼に横パスを入れると、西澤とのワンツーで右のポケットに進入。クロスにレオ・セアラが飛び込み、ハットトリックでさらに清水を突き放した。素早いパス交換と流動的な人の動きで守備陣を完全に崩し、さすがは首位チームと思わせる連続プレーをピッチに描き出した。

 横浜FMは選手交代で強度を維持させつつ、試合終盤になっても相手のつなぎを制御。清水の一発を警戒しつつ時計の針を進めていった。87分には途中出場の宮市がこれまた鮮やかな連会からチームの5点目をマーク。清水もアディショナルタイムに片山がネットを揺らしたが、追撃もそこまで。横浜FMが5-3で押し切り、清水のクラブ創設30周年を祝うゲームで、地力の差を見せつけた。

 いまから29年前の1993年5月15日、Jリーグのオープニングゲームに臨み、2-1でV川崎を下して1勝目を挙げた横浜FMは、ところも同じ国立競技場でこの日、J1通算500勝目を達成。今季初の5得点を叩き込んだ大勝劇で、自らの記録達成を祝った。

◆出場記録
・清水メンバー:GK権田修一、DF原輝綺(75分:オ・セフン)、立田悠悟(46分:井林章)、鈴木義宜、山原怜音、MF片山瑛一、白崎凌兵、宮本航汰、西澤健太(58分:ベンジャミン・コロリ)、FW神谷優太(58分・カルリーニョス・ジュニオ)、チアゴ・サンタナ

・横浜FMメンバー:GK高丘陽平、DF松原健、畠中槙之輔、角田涼太朗(67分:エドゥアルド)、永戸勝也、MF渡辺皓太(58分:山根陸)、岩田智輝、水沼宏太(67分:仲川輝人)、西村拓真(86分:小池裕太)、エウベル(67分:宮市亮)、FWレオ・セアラ(67分:マルコス・ジュニオール)


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