小川諒也はこの夏、7年間を過ごしたFC東京からポルトガルのヴィトーリア・ギマランイスに移籍する。6月26日、アウェーのサガン鳥栖戦がFC東京の選手として臨む移籍前ラストマッチ。新たなステージに向かう前に、移籍決断の理由、自身の未来像、そしてFC東京への思いを聞いた。

上写真=ポルトガルのヴィトーリア・ギマランイスに移籍する小川諒也(写真◎J.LEAGUE)

ポルトガルからステップアップしていく

ーー今回の海外移籍を決めた経緯について、改めて聞かせてください。

小川 何となくプロの世界に入ったときから、海外でやりたいという思いはありました。当時はFC東京で試合に出られていない状態ですから、本当に漠然となのですが、海外でプレーする自分を思い描いたのは確かです。いつかは海外でやりたいな、と。
 その思いが強くなったのは昨年、代表に選ばれたことでした。強く行きたいと思いましたし、行かなきゃ「やばい」というか、他の選手に差をつけられてしまうと感じたんです。

ーー最初に海外行きを思い描いたのは、誰か、日本人選手の活躍に触発されたからですか。

小川 最初の最初で言えば、それこそ(長友)佑都くんとか、本田(圭佑)選手とかが海外でバリバリ活躍している姿を見たからでした。自分が中学生とか高校生のときだったと思います。そういう選手たちの活躍に刺激されたし、日本人でも、海外で活躍してやれるんだと感じました。自分もそうなりたいと思ったんだと、いま振り返ると思います。

ーー代表活動を経験して、自分の中でその思いがより明確になったということですね。

小川 海外でやっている選手は、一つひとつのレベルが違う、と代表活動をしてみて素直に感じました。技術面だけで言えば、それほど大きな差はないかもしれません。でも、それを使うスピードが違う。パス1本を取っても判断の早さにしても。それが組み合わさって大きな違いを生んでいる。そういう環境に身を置かないといけないと思いました。代表でやってみて、国内組との差を少なからず感じたし、海外組の選手からも、一度は外に出てみた方がいい、いつまでやっているの? と言われました。

ーー小川選手は、ACLなどの国際試合も経験していますが、やはりヨーロッパでプレーしないと味わえないものがあると。

小川 自分にとっては、今がタイミングなんだと。今後、日本代表に入ったとして対戦相手は必ず海外の国です。日本人選手とやることはない。そういう意味では、日常を変える必要があると思いました。日本代表は目指す場所なので。

ーー今回、ポルトガルのヴィトーリア・ギマランイスに移籍することになりました。この選択については?

小川 正直に言えば、ポルトガルに絶対に行きたいということではなく、自分の中でこれからステップアップしていく上で、最適だと考えました。結果を残して、その先にはもっと良いチームだったり、強いチームへステップアップしたいという思いもあります。
 ポルトガルリーグは、5大リーグに多くの選手を輩出していますし、今回、自分が行くチームはビッグ3(ポルト、スポルティング、ベンフィカ)に及ばずとも、毎年、上位に位置しているチームです。自分の求めているものに合っていると感じています。

ーー移籍決定直後、5月29日の鹿島戦の後にセレモニーがあり、心境を話していましたが、当時はまだ分からないことも多いようでした。その時よりも現地の情報を更新できたのではないですか。

小川 田川亨介とか、守田(英正)くんとは連絡を取りました。

ーー何か耳寄りの情報を得られましたか?

小川 サッカーとは全然、離れたところで「ポルトガルめちゃめちゃ観光地としてといいところだ」ということと「ご飯がおいしい」ということを(笑)。

ーー環境も良いとよく聞きます。

小川 現地には日本人の方も多くいらっしゃるみたいで、すぐに馴染めそうな気がしています。そういう面で不安はまったくないですね。今の心境としては、すごくワクワクしています。失敗を恐れていることもなし、楽しみな気持ちの方が大きいです。

ーー自己分析すると、そもそも新しい環境に飛び込むことが苦にならないタイプですか?

小川 そうだと思います。海外に住んだことはないですけど、ホームシックになるとか、想像できないですね。努力はもちろん必要ですが、生活面の不安はないかなと。


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