5月21日に行われた明治安田生命J1リーグ第14節で、鹿島アントラーズは浦和レッズとのアウェーゲームに臨み、アルトゥール・カイキが開始早々に先制した。「何かが起こる」と感じてゴール前で待ち構えた準備が功を奏した。

上写真=アルトゥール・カイキは逆サイドで攻めるときにゴール前に入る約束を実行した(写真◎J.LEAGUE)

■2022年5月21日 J1リーグ第14節(埼スタ/37,144人)
浦和 1-1 鹿島
得点者:(浦)アレクサンダー・ショルツ
    (鹿)アルトゥール・カイキ

5試合で4ゴールの好調ぶり

 信じて走ったのは、「彼がシュートを打ったら必ず何かが起こる」からだ。

 開始早々の6分、上田綺世が中央でボールを収めてから右に持ち出して強烈に右足でたたいた。GK西川周作にセーブされてしまう。でも、それが「何か」だった。ゴール前に入り込んでいたアルトゥール・カイキの目の前にこぼれてきて、浮き球を右足でずばっと送り込んだ。あっという間の先制ゴール。

 これでここ5試合で4ゴールだ。好調は「試合に出続けていて、試合勘がつかめているから」と充実感たっぷり。「戦術的なところでは、逆サイドで仕掛けているときにペナルティーエリアの中に進入するように言われている」といい、この日のゴールがまさにそれ。「自分のプレースタイルも一致しているので継続してできています」と、チームのスタイルの中で強みを生かすことができている。

「でも、勝ちにつながらなかったのが残念です」が本音かもしれない。「ほかにもチャンスはあったし、守備の選手が体を張ってくれたのに、勝ち点3を取れなくて残念です」と笑顔も少なめだ。

 勝ちにつながらなかったのは、レネ・ヴァイラー監督の言うところの「アンラッキーな失点」を食らったから。前半終了間際にVARによって浦和にPKが与えられ、確実に決められた。

 そして、「ほかにもチャンスがあった」中には自らの決定機も含まれる。75分、和泉竜司の鋭い縦パスを上田が正確に落としたところを右足で狙った。低く鋭いシュートはしかし、西川の機敏な反応でかき出された。

 それでも、終盤の浦和の猛攻にも崩れずに、アウェーでのドローは悪くはない。

「何度も上下するような試合展開でしたけど、チャンスは作れているのでプラスにとらえています。勝ちにつながらなかったけれど、チームの出来としては良かったので、全員がプラスにとらえています」

 上位を争う首位の川崎フロンターレは引き分け、3位の横浜F・マリノスは負けた。そんな強運も携えて、アルトゥール・カイキはまだまだ信じて走り続ける。

取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE


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