第9節を迎える明治安田生命J1リーグ、FC東京は4月16日に北海道コンサドーレ札幌とのアウェーゲームに臨む。アルベル監督の見立ては、ともにチャンスを数多く作る、エンターテインメント性の高い90分になる、ということ。ハイレベルの戦術バトルに注目だ。

上写真=アルベル監督は「偉大な経歴を持った監督と対戦できることを誇りに思います」とペトロヴィッチ監督との対戦を待ちわびる(写真提供◎FC東京)

「お互いにチャンスが多く生まれる展開に」

 4月15日は54回目のバースデー。アルベル監督は選手に、翌16日の北海道コンサドーレ札幌戦の勝ち点3をプレゼントにおねだりする。

「ありがとうございます。まさに明日、いい試合をして勝ち点3を勝ち取りたいですね」

 週中に行われたルヴァンカップの湘南ベルマーレ戦では、予告通りに多くの若手を起用した。試合は1-2で敗れることになったが、DF東廉太がプロ初先発でフル出場、MF熊田直紀が交代出場でプロデビューと経験を積ませた。

 ほかにもストーリーはあって、例えばバングーナガンデ佳史扶のカムバックだ。昨年6月から8月にかけて台頭してきたものの、右膝外側半月板損傷という大ケガを負って10月に手術、戦列を離れていた。この湘南戦の78分からピッチに入って、ついに復帰だ。

「まずは現状を踏まえると、試合勘を取り戻すこと、コンディションを上げることにフォーカスしてほしいと思っています」

 焦らずにトップフォームに戻すための第一歩になった。

「トレーニングではいい形でプレーしていますし、とてもいいものを持っていてしっかり表現できているので、魅力を感じています」

 若手の目利きには評価の高いアルベル監督が言うのだから、本人の励みにもなるだろう。

「大ケガで手術して復帰に向かうという状況なので、慎重に冷静にコンディションが高まるのを待たなければいけません。戦術への適応についてはおいおい求めていきますが、まずはチームに合流できたことをうれしく思います」

 これでサイドバックの人材がますます豊富になる。今季のJ1でプレーした選手で言うと、長友佑都を本来の左だけではなく右でも起用し、同じ湘南戦で小川諒也も帰ってきた。エンリケ・トレヴィザンを起用したこともある。右には中村帆高もいるし、渡邊凌磨をコンバートして結果も出ている。以前、このポジションは戦術的にも重要な意味を持つという認識を明かしてきただけに、戦力の充実は喜ばしい。

「選択肢があるのは監督としてはうれしいことです。長所を把握した上で、適切なタイミングで起用することが求められます。試合の特徴や相手の特徴を踏まえて、的を射た選手起用ができたらと思います」

 続く4月16日の第9節は、北海道コンサドーレ札幌が相手だ。

「とても強度の高い試合になると予想しています。戦術的にも難しい戦いになるでしょう。おそらくお互いにチャンスが多く生まれる展開になる可能性があります。サッカーファンには見応えのある、エンターテインメント性の高い試合になると予想しています」

 まさに真っ向勝負で挑むアウェーゲーム。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督へのリスペクトがあるからこそだ。

「プレシーズンにトレーニングマッチを行ったときに会っています。素晴らしい人物であることが伝わってきましたし、彼が偉大な監督であることは、私がコメントするまでもありません。日本でも長い間、功績を残してきた、偉大な経歴を持った監督と改めて公式戦で対戦できることを誇りに思います」

 前節の浦和レッズ戦ではリカルド・ロドリゲス監督と戦って「戦術的、ヨーロッパ的だった」と話した次の試合で、今度はペトロヴィッチ監督とどんな興味深い勝負を繰り広げるのか、楽しみだ。


This article is a sponsored article by
''.