4月9日の明治安田生命J1リーグ第8節で、川崎フロンターレが柏レイソルを迎えた。ボランチを2枚並べる4-2-3-1システムで臨んだ必勝態勢で、今季初先発を飾ったのがジョアン・シミッチだ。橘田健人とともに中盤の底で体を張り続けて、3試合ぶりの白星を引き寄せた。

上写真=ジョアン・シミッチが好調の柏の攻撃を止め続けた。昨年8月以来のフル出場(写真◎J.LEAGUE)

■2022年4月9日 J1リーグ第8節(等々力/17,471人)
川崎F 1-0 柏
得点者:(川)レアンドロ・ダミアン

「個人的にはいいゲームができた」

「彼も勝負の1試合として臨んだと思うので、素晴らしい表現をしてくれたと思います」

 川崎フロンターレの鬼木達監督が言う「彼」とは、MFジョアン・シミッチのことだ。昨季途中から出番を減らし、今季も浦和レッズとのスーパーカップに先発したものの、前半のみのプレー。3月の浦和戦では88分から登場したが、それだけだった。

 川崎Fはここ2試合、セレッソ大阪に1-4で大敗し、ジュビロ磐田戦では後半アディショナルタイムに追いつくぎりぎりの1-1。調子が出ないまま迎えた柏レイソル戦で、シミッチは先発を任された。橘田健人と中盤の底に並ぶ4-2-3-1の配置で、好調の相手を止めるべく体を張った。

「ゲームに出ていない分、リズムをつかむまで難しかったですけど、ゲーム前はアドレナリンも出ていたし、早く試合に出たい気持ちでやってきました」

 シミッチは試合前から、と言っているが、もっと前からそれを感じていたのが鬼木監督だ。

「トレーニングからかなりエネルギーを感じていた選手の一人でした。ずっと続けてきて、自分だけではなくほかの人にも伝わるぐらいやっていました。球際の強さが必要になる試合で、相手のロングボールも増えてセカンドボールもあるので、(橘田)健人も含めて攻守でバランスを取るために起用しました」

 柏はネルシーニョ監督が「ビルドアップがうまくいかなかった」と嘆いたが、理由に川崎Fの守備の鋭さを挙げていた。その中心に、シミッチはいた。

「今日に関しては、勝利に少なからず貢献できたのではないかと思います」

 いつも控えめに振る舞うキャラクターだから、これはつまり、大きな自信になったということだろう。

「今回、スタメンで出てチームの結果につながったことは、非常にうれしく思います。個人的にはいいゲームができたと思います」

 最後まで集中力を切らさずに、終わってみれば昨年8月の柏戦以来のフル出場。恐れず体を投げ出すことのできる献身性は、これから挑むAFCチャンピオンズリーグでも大きな力になるだろう。

取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE


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